倒産法 論文2(再生債権、少額再生債権)

論文 倒産法

はじめに

こんばんはマークです。本日は倒産法の論文の第二回目をやっていきます。

本日の問題

問題は書きませんが、おおよそ以下の流れ

・登場人物~A社(高級婦人服販売+学生服も手がける総合衣料品店。事業の多角化に失敗。負債2億円。B(Aの代取、A社株の60%保有)、C(Bの父、A社株の40%を保有)。

・R5/3/1に再生手続き開始申し立て、3/8に再生手続き開始決定。10万円以下は弁済禁止対象外。

・設問1 

(1)商品仕入先20社。重要性は低い。2月末までに納品した商品について支払って欲しいと。約定通り支払うことができるか?

(2)クーポン保有者300名。額面は1,000円。A社の店舗で使用可能。学生服の仕立て直しや校章入りYシャツの購入時に金券として使用。多い人でも10枚、300名が保有する合計が100万円。保護者から学校に問い合わせがあり、クーポン券が使えるのかどうかといった内容。使用できないと店舗での混乱が予想される。クーポン券の保有者の権利はどうなるのか?保護者の要望に応じでクーポン券を使用させることができるか?

(3)製造委託先D、E、F社は代替先がない。顧客を維持するのに不可欠。委託料を3/31までに支払わないと新たな取引はしないと。それぞれ60万円、70万円、80万円。A社は未払い期限までに支払いできるか?

設問2

B(代取)はG社に身売りしたいと考えている。譲渡代金にて債務者に一括して弁済したい。でもC(父親)が反対(自主再建をしたい)。売却予定価格は正当な価格。A社として再生計画によらず、事業譲渡を迅速に行うにはどのような方策をとることができるか?裁判所における手続きにも触れること。

論点

・再生債権

・少額再生債権

・重要な取引先への支払い(少額)

・代替許可

ベースとなる判例

なし

注意点(ここが自分なりに問題点としてあげられるか)

条文

民再84条1項、119条、112条、85条1項、85条5項前半、85条5項後半、42条1項1号、42条2項、42条3項、

会社法309条2項1号、467条1項、民再42条1項

答案構成

第1 設問1

1.小問1

(1)仕入先20社の債権が「再生債権」にあたるか(84条1項)

ア.再生債権とは(民再119条、112条、84条1項

①再生債務者に対し、②再生手続き開始前の原因に基づいて生じた、③財産上の請求権、④共益債権又は一般優先債権に該当せず、⑤執行可能であること

イ.これを本件についてみると(あてはめ)

①A社に対する、②R3/2月末日までに納品したものなので再生手続き開始前の原因たる売買契約に基づいて生じたもの、③財産上の請求、④共益債権等にあたらず、⑤執行可能

ウ.よって再生債権

(2)再生債権⇒原則再生計画に沿って弁済。(85条1項

20社の債権は例外事情なし。

(3)A社は約定通り支払うことはできない。

2.小問2

(1)クーポン券の保有者の権利は「再生債権」に該当。

ア.再生債権に該当要件~前述の通り

イ.これを本件についてみると

クーポン券⇒A社の店舗で仕立て直しやYシャツの購入時に金券として使用できる。⇒商品引き渡し請求権とか役務提供請求権⇒財産上の請求権にあたる(③充足)~①②④⑤も充足。

ウ.クーポン券は再生債権

(2)原則は再生計画に沿って弁済をする

⇒しかしながら少額の再生債権として例外的に弁済が許容されないか?(85条5項前半)

ア.①再生手続きを円滑に進行することができるとき、②少額であるとき

は、再生債務者の申立により裁判所が許可することができる。

イ.これを本件についてみると

一人最大1万円、総額100万円と少額(②充足)、クーポン券が使用できないと店頭での混乱が予想される。早期弁済で再生手続きを円滑に進行することができる(①充足)

ウ.よって裁判所の許可を得て、優先弁済をすることが可能。

(3)Aはクーポン券を使用させることができる。

3.小問3

(1)前述同様、未払委託料は原則再生債権

(2)よって原則再生計画に沿って弁済。⇒しかし少額の再生債権は例外的に任意払いが許容されないか(85条5項後半)。

ア.①再生債権を早期に弁済しなければ事業の継続に著しい支障を来すとき、②再生債権が少額の時

は、再生債務者の申立により裁判所が優先弁済を許可することができる。

イ.これを本件についてみると

D社らは縫製技術の高さから代替先の確保が困難。高級服の顧客層を維持するため不可欠。3月末までに支払わないと新たな取引をしないと言われている。⇒早期に弁済しなければ事業の継続に著しい支障を来すといえる(①充足)、債権額も60万円、70万円、80万円と少額(②充足)

ウ.裁判所の許可を得て、優先弁済が可能

(3)A社はD社らに未払委託料を約定通りに支払うことができる。

第2 設問2

1.A社は裁判所の許可を得て、事業譲渡をすることが考えられる。

2.事業譲渡の許可(42条1項1号

(1)裁判所~「事業再生のために必要であると認める場合」には事業譲渡の許可をすることができる。

⇒必要あれど、譲受人の選定過程の公平さ、譲渡代金、譲渡条件等の相当性について不相当が明らかな場合は許可できない。

・本件についてみると~事業価値の劣化により譲渡代金の低下⇒それにより弁済率の低下も予想された⇒事業の再生の為に必要といえる~Bが想定するGへの対価は適正(公認会計士資料)⇒譲受人は事業に関心を示してきた高級紳士服店を経営するG社で選定過程に明らかな不相当があるとはいえない。⇒裁判所は許可できる。

(2)裁判所~事業譲渡を許可するには知れている債権者に意見を聞かなければならない。(42条2項)⇒債権者委員会があればその意見を聞けば足りる。~労働組合等の意見を聞かなければならない(42条3項)。

3.代替許可

(1)事業譲渡は原則株主総会の特別決議を要する(会社法309条2項1号、467条1項)。現状Cが反対、Cは40%保有。⇒特別決議は2/3の賛成が必要なので承認を得られる見込みは低い。⇒株主総会の決議による承認に代わる許可を受けることが考えられる(43条1項)。

(2)A社は債務超過、その財産をもって債務を完済することはできない。衣料品の販売不振、商品の多角化による事業拡大の失敗により債務超過⇒事業譲渡しないと廃業に追い込まれる⇒事業の継続のため必要といえる。⇒裁判所は代替許可をすることができる。

以上

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