はじめに
こんばんは、マークです。証拠に関してですが、供述証拠の収集・確保についてやっていきましょう。さっと流せる箇所だと思いますが、出題される頻度は比較的高いので読んでおいて損はないと思います。
問われること
取調べについて条文の内容が分かっているかどうかが問われます。
覚えよう
・取調べの種類は2種類。①被疑者(198条Ⅰ)、②第三者(223条Ⅰ)。
・黙秘権:自己に不利益な供述を強要されない(憲法38条)。氏名は含まれない(判例)。
・証人は証言拒絶権あり(146条、正当な理由がないといけない)。被告人は包括的黙秘権あり(311条Ⅰ)⇒そして黙秘していることを有罪の証拠にはできない。が、刑量上不利益に考慮することはできる。黙秘権を侵害して得られた供述は証拠にはできない(自白法則)。
◆被疑者の取調べ
・捜査機関ができる。⇒黙秘権告知(198Ⅱ)⇒供述は供述書に録取できる(捜査官が作成する)⇒被疑者に閲覧もしくは読み聞かせして誤りがないか確認⇒誤りがなければ署名・押印を求めることができる。(被疑者は許否することができる。)
・捜査機関の録音・録画義務(これ注意!!):検察官、検察事務官は
1)裁判員制度対象事件(301条の2Ⅰ①~死刑又は無期にあたる罪に係る事件、②~短期1年以上の有期拘禁刑で故意に犯罪行為により被害者を死亡させたものに係る事件)
2)逮捕・勾留中の被疑者の取調べや弁解録取を行うとき
は例外事由にあたるものを除いて録音・録画が必要(301条の2Ⅳ)
・限界~判例、高輪グリーンマンション事件~宿泊を伴う長時間の取調べは適法か?⇒「事案の性質、被疑者に対する容疑の程度、被疑者の態度等諸般の事情を勘案して、社会通念上相当と認められる方法ないし態様及び限度において、許容される。」(これが比例原則の具体化したもの197条Ⅰ)
・身柄拘束中の取調べ:身柄拘束されていなければ出頭を拒んだり、出頭後いつでも退去できる。⇒①肯定説~198条ただし書きの反対解釈。実務はこれ。②否定説(多数説)~黙秘権保障の見地から否定。⇒判例はない(ズコッ)
◆第三者の取調べ
・参考人(被疑者以外の者)ができる。任意処分。黙秘権の告知はなされない。
・出頭拒絶や供述をしなかった場合⇒検察官は第1回公判期日前に限り、一定の要件のもと、裁判官に証人尋問の請求ができる(226条、227条)。⇒強制処分⇒これが認められるには①犯罪の捜査に欠くことのできない知識を有すると明らかに認められる者が出頭・供述を拒んだ場合(226)、②参考人の取調べに際して任意の供述をしたが、公判期日において供述と異なることを供述するおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められる場合(227)。
・(これ注意!!)検察官には証人尋問への立会権、証人への尋問権が認められる(228、157条~157条ではもともと検察、被告、弁護人は立会権ありとしているが、228条で被告・被疑者・弁護人は裁判官が許容すればとなっている)
・証人尋問調書に記載され、裁面調書となる。
過去問(法務省HPより)
・R6
〔第23問〕
取調べに関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.検察官又は検察事務官は、裁判員の参加する合議体で取り扱うべき事件について逮捕又は勾留されている被疑者を取り調べるときは、被疑者の供述及びその状況を録音及び録画を同時に行う方法により記録媒体に必ず記録しておかなければならない。⇒× 録音の義務はあるが(301条の2、裁判員法2条)、301条の2Ⅳで例外があると規定している。なので必ずとはいえない。
イ.検察官は、被疑者以外の者が取調べに対して出頭を拒否した場合、その者が犯罪の捜査にどの程度関連した知識を有しているか明らかでなくとも、第1回の公判期日前であれば、その者の証人尋問を裁判官に請求することができる。⇒× 明らかでないとだめ。強制処分なのだから。
ウ.司法警察職員は、被疑者の供述録取書につき、これを被疑者に閲覧させ、又は読み聞かせて、誤りがないかどうかを問い、被疑者が増減変更の申立てをしたときは、その供述を調書に記載しなければならず、被疑者が調書に誤りのないことを申し立てたときは、これに署名押印することを求めることができる。⇒〇 その通り(198条Ⅳ、Ⅴ)
エ.逮捕又は勾留されていない被疑者は、司法警察職員から出頭を求められた場合、これを拒むことができるが、検察官又は検察事務官から出頭を求められた場合、これを拒むことはできない。⇒× できる(198条Ⅰ)
オ.司法警察職員は、日本語に通じない被疑者を通訳を介して取り調べる場合、その供述録取書を日本語で作成しても違法ではない。⇒〇 OK。(198条Ⅰ)
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒答え 5.ウオ
・R5
〔第23問〕※注意~この問題はあくまで227条を前提としているので注意すること。
次のアからオまでの各記述は、取調べに際して任意の供述をした者が、公判期日においては前にした供述と異なる供述をするおそれがあり、かつ、その者の供述が犯罪の証明に欠くことができないと認められるため、検察官が刑事訴訟法第227条に基づき証人尋問を請求する場合に関する記述である。各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.被疑者の共犯者についても、証人尋問を請求することができる。⇒〇 判例での判断
イ.第1回公判期日後には証人尋問を請求することができない。⇒〇 227条では無理。(ひっかけ問題だよね。227条だと無理だけど、他に方法はあるのでつい×としてしまいたくなる)
ウ.「異なる供述」とは、供述が、被疑者、被告人に有利に変更される場合だけでなく、不利に
変更される場合も含む。⇒〇 捜査段階と比して実質的に変更されていること
エ.弁護人は、証人尋問が行われる際、その尋問に立ち会う権利を有する。⇒× 裁判案がOKしたときだけ。
オ.公訴提起後に証人尋問を請求する場合は、請求先は裁判官ではなく裁判所である。⇒× 226条裁判官となっている。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ ⇒答え5.エオ
まとめ
供述証拠の収集、確保についてざっとまとめました。令和5年の問題で問われている様に227条に絞って考えるとどうかと聞かれることもあるので、しっかりと条文もみておきましょう。それでは。


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