はじめに
こんばんは、マークです。やってまいりました、伝聞…。いや、ここの部分で何度テキストとか読んでもなかなか頭に入っていかないわ。よって、これは試験前読み返しマストの内容だ。頑張っていきましょう。もしかしてワンチャンこれで理解できるかも。できたらラッキー!
何を問われるか
ざっと以下のような内容が問われる。もう理解できている人は飛ばしてくれ。
・刑訴法320条あたりから328条あたりまでの条文内容。それにまつわる判例。
・そもそも伝聞法則とは?なぜ証拠として採用できないの?
・この事例は伝聞かなそれとも非伝聞かな?(要証事実との関係で真実性が問題となっているか?)
・伝聞なんだけど証拠として採用できるものは?伝聞例外の要件は?
・弾劾証拠って?
伝聞法則(320条)
・公判期日における供述に代え、書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできないルールのこと。
・趣旨:公判において証人尋問によって内容の吟味ができないものは証拠とできない。(証拠能力が否定される)
・いつ適用される法則?:供述がその供述の内容の真実性を証明するために用いられる場合に限られる。
非伝聞
・伝聞にはあたらない証拠の類型を整理する。
1.供述の存在が要証事実である場合
①供述が犯罪を構成する場合~名誉毀損、脅迫行為
②供述が情況証拠(内面的)となる場合~精神異常を証明
③供述が弾劾証拠となる場合~公判供述と矛盾する公判供述(328条)
2.供述時の精神状態~(強制性交致死事件の被害者が「好かんわ、いやらしいことばかりする」言っていたという第三者の公判供述について考察。
ア)いやらしいことをしていた事実の証明に使う⇒伝聞証拠となる。
イ)供述時の嫌悪の感情の証明に使う⇒非伝聞~このような感情は性交につき被害者の同意がなかったと推認⇒本人による精神状態の供述は知覚、記憶のプロセスがない(過去の出来事を見聞きして、記憶するという過程を経ずにそのまま表現されるということ)⇒よって非伝聞。
ウ)なお、過去の精神状態の供述は伝聞となるので注意。
3.犯行計画メモ
ア)被告人の故意を証明するために用いられる場合⇒非伝聞~供述時の精神状態の供述の類型、知覚・記憶のプロセスに欠ける。
イ)共謀の成立を証明するために用いられる場合⇒原則伝聞~作成者が共謀の内容を知覚・記憶した過程も問題となる。
ウ)被告人と犯人の同一性を証明するために用いられる場合⇒非伝聞~メモに記載された作成者の供述が存在することが証明されれば被告人と作成者の同一性という事実が推認される。(供述の内容の真実性の証明をしているわけではない)
伝聞例外(321条以下)
1.非伝聞との区別が必要。伝聞例外は伝聞なのだが、例外で証拠として認めましょうとするもの。それには証拠として用いる必要があり、かつ公判での証人尋問に代わる信用性の情況的保障が必要。
2.種類
- ①供述録取書:原供述者が他人に話し、その他人が書き取った書面のこと。必ず二重の伝聞性を帯びるので、原供述者の署名または押印が要求される。
- ②供述書:原供述者が自分で作った書画。署名、押印は不要。~被害届、日記
- ③特信文書:特に信用のある文書~戸籍謄本等
- ④伝聞供述:被告人または被告人以外の者が第三者に話したことをその第三者が法廷で供述すること。~書面の伝聞例外を準用する。
供述書・供述録取書(被告人以外の者)(321条1項1号)
ここからはしばらく被告人以外の者の書類についてやっていくので注意してください!!
1.裁面調書(321条1項1号)~証人尋問調書等~以下の①②充足の場合は供述調書等を証拠に使うことができる。
要件①原供述者が死亡等で供述できない、②原供述者が前の供述と異なった供述をした
2.検面調書(321条1項2号)~これが最重要
検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
ア.供述不能~死亡、精神や身体の故障等
あ)列挙事由にあたらないけど…⇒これは例示列挙。記憶喪失等でもOK。ただしその状態の継続性が求められる。
い)訴追側がその状況を作出した場合は証拠として許容しない~外国人を国外追放したとか
う)前段(条文黄色部分)に特信情況が必要か?⇒判例は不要としている。(条文上要求されていない。供述が検察官の面前で行われていること自体に信用性あり。でも検察官は訴訟の一方当事者なので通説は絶対的特信性が必要としている。どちらの説でもOK。)
イ.相反供述(後段、条文赤色部分)…注意!!~あくまで被告人以外の人で同一人の人の供述が相反しているということ。問題では別の第三者の意見が相反しているがどうかみたいなものも出される。違う人だからそもそもだめでしょってなる。以下確認ポイント。
あ)相反性~実質的に異なる事実認定を導くこと。⇒相反してはいないけどより詳細なものはどうなる?⇒実質的に異ならないものとはいえなとし、肯定される。(判例)
い)相対的特信性~名文で供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況がないとだめとしている。前の供述との比較で特信性が認められればOK。実務としては公判供述の時にやくざの親分被告人だったので子分であるその被告人以外の証人は虚偽の供述をしたというような感じで特信性がなかったので前の供述の方が信用できるとするようなことが多いようです。また外部的付随事情に加え、供述そのものを考慮してよいと通説・実務のようです。
3.3号書面(321条1項3号)~司法警察員面前調書等~3つの厳格な要件が必要
①供述不能
②証拠の不可欠性(証拠とするか否かにより、事実認定に著しい差異を生じさせる可能性があること)
③絶対的特信情況(これ難しいけど、虚偽の介入がほとんどないくらい高い信用性があるということ。絶対的なので注意。2号後段の相対的とは違う。)
4.公判準備・公判期日における供述録取書(321条2項)~無条件で証拠にできる。~注意:他の事件における証人尋問調書は321条1項1号の裁面調書になる。
5.裁判所・裁判官の検証調書(321条2項後段)~これも無条件で証拠能力が認められる。
6.捜査機関の検証調書(321条3項)~検証の結果を記載した書面。公判期日において証人として尋問を受け、真正に作成されたものであることを供述すれば証拠能力が認められる。緩くされているのは①検証の結果は記憶による保存が困難だし書面の方が正確性や詳細さの点で口頭よる適している。②検証が五官(目耳鼻舌皮膚)の作用により事物の存在・情況などを観察して認識する処分なので主観的要素が入り込む余地が少ない。~実況見分調書についても検証とやっていることは変わらずなので含まれる。~捜査機関以外の者が作成した実況見分調書⇒準用する。~現場指示は実況見分の動機を記載したものにとどまる。現場供述については内容の真実性を証明するための供述証拠として用いる場合は321条3項ではない(第三の供述ならば321条1項各号、被疑者・被告人ならば322条1項)。
7.鑑定人作成の鑑定書(321条4項)~鑑定人が公判期日において尋問を受け、真正に作成されたものであることを供述すれば証拠能力が認められる。真正とは作成名義の真正と記載内容の真正を含む。~口頭よりも正確、詳細、専門家によるものは客観性・正確性がある。~鑑定受託者作成の鑑定書も扱いは同じ。
8.ビデオリンク方式による証人尋問調書(321条の2)~供述者を証人として尋問する機会が与えられるのであれば証拠能力が認められる。
9.特信文書~認められる(公務文書、業務文書、その他)
供述書・供述調書(被告人のもの)(322条)
◆要件に三つの類型がある
1.不利益事実の承認(322条1項前段)~自分ではわざわざ不利になる供述しないであろうからそういった供述は信用性が高いといえる。任意にしたことに疑いがある場合を除き証拠として認められる。
2.特信性がある場合(322条1項後段)~不利益な事実の承認ではない場合⇒特に信用すべき情況のもとでなされたものであれば証拠能力が認められる。
3.公判期日・公判期日における供述(322条2項)~任意性がないとだめ。あれば無条件で証拠として認められる。
・共同被告人の供述書・供述録取書⇒判例は321条1項各号により判断するとしている。
伝聞供述の伝聞例外(324条Ⅰ・322条、324Ⅱ・321条Ⅰ③)
・パターンにより伝聞例外となることが定められているが、具体的に理解しておかないと忘れる。
・①法廷で供述するのが被告人以外ー原供述者は被告人⇒324条Ⅰ・322条で伝聞例外となる。~例えば警察の証言で、「被告人が犯行を認める発言をしていた」と証言する場合。その他、知人の証言、「被告人から『実は自分がやった』と聞いた」と証言する場合。
・②廷で供述するのが被告人以外ー原供述者は被告人以外⇒324条Ⅱ・321条Ⅰ③で伝聞例外となる。~供述不能、供述の矛盾、不可欠性、特信情況が必要となる。~「Aさんが法廷で、『Bさんが、犯人は被告人だと言っていました』と証言する場合」
・③法廷での供述者が被告人ー原供述者が被告人以外⇒明文なし~でも原則認められないと考えておきたい。324条は被告人以外の者が対象であり、被告人が供述者である場合を想定していない。反対尋問の機会もない。ただし当時の認識や動機を推認する非伝聞として扱われるときは証拠として機能することはある。
当事者の同意・合意による伝聞例外(326条1項)
・検察官、被告人が証拠とすることに同意した書面または供述は供述された情況を考慮し、相当と認めるときに限り証拠とすることができる。
弾劾証拠(328条)
・321条から324条までの規定で証拠とすることができない書面や供述でも、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためにはこれを証拠とすることができる」としてうる。
・弾劾証拠は同一人物の不一致供述に限定されるので注意。
・供述者の署名・押印は必要とされる(判例の判断。条文にはない。)
再伝聞
・各過程のすべてにおいて伝聞例外の要件を満たせば証拠能力は認められる。
・よくあるパターン~再伝聞書面:「Aさんが『Bさんが犯行を認めていた』と話し、それを警察官が書面(供述調書)にした」場合。
~第1過程:Bさん→Aさんへの伝達
~第2過程:Aさんの供述→警察官が調書に記録
~証拠として認められるには第1過程では324条をクリアすること(発言者が被告なら324条Ⅰ・322条、それ以外なら324条Ⅱ・321条1項各号)。
~第2過程では321条(書面の例外)をクリアすること。Aさんの署名・押印があるとか、供述不能・矛盾などの要件。⇒署名とかは普通クリアできないと思うので原則証拠能力は認められないことになる。
実際の過去問(法務省のHPより)
・R5
〔第24問〕
伝聞証拠に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。
ア.証人が公判期日において、前に裁判官の面前でした供述と異なった供述をした場合、前にした供述を録取した書面で供述者の署名又は押印のあるものは、公判期日における供述よりも前にした供述を信用すべき特別の情況の存するときに限り、これを証拠とすることができる。⇒× 321条Ⅰ①特信情況までは求めていない。
イ.火災原因の調査、判定に関し特別の学識経験を有する私人が、弁護人の依頼を受けて燃焼実験を行ってその考察の結果を報告した書面は、裁判所から鑑定を命じられた者が作成した鑑定の経過及び結果を記載した書面と同じ要件のもとでこれを証拠とすることができる。⇒〇 321条Ⅳの準用。専門的知見に基づく判断であり、複雑な鑑定は書面の方が合理的であり、被告人の防禦にも支障がない。
ウ.刑事訴訟法第323条第2号によれば、「業務の通常の過程において作成された書面」は、その作成者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときに限り、これを証拠とすることができる。⇒× 特に作成者の尋問は不要で証拠にできる。(特信文書)
エ.甲の検察官に対する供述調書中に、被告人乙が甲に対してした「V方に放火してきた。」旨の供述が含まれているときは、刑事訴訟法第321条第1項第2号及び同法第324条により、これを乙の現住建造物等放火被告事件において証拠とすることができる。⇒〇 再伝聞のところみよう。
オ.刑事訴訟法第325条による書面に記載された供述が任意にされたものかどうかの調査は、必ずしもその証拠調べの前にされなければならないものではない。⇒〇 任意かどうかの調査は必ず必要であるが、証拠調べの前にされなければならないとはされていない。325条)
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ →2が正解。
・R7
〔第23問〕
次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
【事例】
甲は、「令和6年11月8日午後11時頃、H市内の路上において、Vをナイフで刺して殺害した」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、甲は、本件殺人事件について犯人ではないと否認し、甲の知人A、犯行を目撃したVの知人B、甲と同居する甲の父親Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
Aは、「令和6年11月7日午後5時頃、甲が私に電話してきて『①明日Vを殺そうと思う。手伝ってくれないか。』と言ってきたが、断った。すると、甲は、『それならば一人でやるしかない。②ナイフを用意した。これでVを刺す。』と言ってきた。また、同月9日午前8時頃、再び甲が私に電話してきて『予定どおりやってやった。③昨晩、H市内の路上にVを呼び出し、ナイフで刺して逃げてきた。』と言ってきた。」と証言した。
Bは、「令和6年11月8日午後11時頃、H市内の路上でVを見掛け、声を掛けようとしたところ、知らない男がVに近付いた。Vは、その男に向かって『④甲、何の用だ。』と言った。その直後、その男がVに刃物のようなものを突き刺して逃げていった。」と証言した。
Cは、「令和6年11月9日午前10時頃、自宅において、甲から『⑤昨日午後11時頃は、俺はI市内をドライブしていた。』と言われた。」と証言した。
【記述】
ア.Aの証言中の下線部①は、要証事実を「甲がAにVの殺害を手伝うよう言ったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。⇒× すべての問題は要証事実の関係で真実性が問題となるかどうか。
イ.Aの証言中の下線部②は、要証事実を「甲が凶器としてナイフを用意していたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。⇒〇
ウ.Aの証言中の下線部③は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。⇒〇
エ.Bの証言中の下線部④は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。⇒×
オ.Cの証言中の下線部⑤は、要証事実を「事件発生時、甲が事件現場から離れた場所にいたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。⇒〇
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ ⇒1が正解
・R7
〔第25問〕
刑事訴訟法第321条第1項の書面に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものは幾つあるか。後記1から6までのうちから選びなさい。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。
ア.同項第1号の「裁判官の面前における供述を録取した書面」は、当該事件に関して作成されたものに限られ、被告人以外の者に対する事件の公判廷における同人の被告人としての供述を録取したものは含まれない。⇒× 被告人以外の者に対する事件の公判廷における同人の被告人としての供述録取書も含まれるとしたS57.12.17)
イ.共同被告人の検察官に対する供述調書は、共同被告人が被害者その他の純然たる証人とその本質を異にするから、同項第2号の「検察官の面前における供述を録取した書面」に当たらない。⇒× 検面調書にあたる。
ウ.証人が公判廷において証言を拒否した場合、同項第2号前段の「公判期日において供述することができないとき」に該当し、期日を改めて期間をおけば証言が得られる見込みがあったことを考慮する余地はない。⇒×
エ.同項第2号ただし書の「前の供述を信用すべき特別の情況」(相対的特信情況)は、供述がなされた際の外部的・付随的情況を指すから、その存否を判断する際に供述内容自体を考慮することはできない。⇒× 判例で供述内容自体も考慮してよいとされている。
オ.被告人以外の者の司法警察員に対する供述調書で供述者の署名又は押印のあるものは、供述者の供述不能の要件が存在し、かつ、その供述が特に信用すべき情況(絶対的特信情況)の下にされたものであることが認められれば、同項第3号により証拠能力が認められる。⇒× 不可欠性も必要(これ難しいよね。3要件を思い出そう。)
1.0個
2.1個
3.2個
4.3個
5.4個 ⇒これが正解
6.5個
・R6
〔第17問〕
次の【事例】で、Xの公判において、以下の各供述録取書を証拠として用いる場合(刑事訴訟法第326条及び同法第328条の場合を除く。)、その証拠能力について述べた後記アからオまでの【記述】のうち、正しいものには1を、誤っているものには2を選びなさい。
【事例】
Xは、令和5年5月1日午後11時頃、甲市内の路上で、帰宅途中の女性の横をバイクで通り過ぎる際に、その腕からハンドバッグをひったくったという窃盗の被疑事実で逮捕された。逮捕直後の警察官による取調べにおいて、Xは、上記の犯行が行われたとされる日は、午後7時に帰宅して以降、外出しておらず、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述し、それが書面に録取された(供述録取書①)。しかし、その後の取調べで、警察官が、犯行現場付近に設置された防犯カメラに、同日午後10時58分にその場を通り過ぎるXのバイクが映っていることを告げると、Xは、同日午後11時頃に、酒を買うために犯行現場付近にあるコンビニエンスストアに出かけたことを失念しており、その際に犯行現場である道路をバイクで通ったことを思い出したが、本件犯行は自分が行ったものではない旨供述を変更し、それが書面に録取された(供述録取書②)。さらに、数日後の取調べにおいて、警察官から、上記のコンビニエンスストアの防犯カメラの同年5月1日夜の録画記録にはXは全く映っていなかったことを告げられると、Xは観念した様子で、上記のひったくりを行ったことを認める供述をした。そこで、警察官はその供述を書面に録取した(供述録取書③)。
【記述】
ア.Xが起訴され、公判期日において供述した場合、供述録取書①の証拠能力が認められることはない。⇒× 特信情況下で行われたものであれば証拠にできる。
イ.供述録取書①については、Xの供述の任意性に疑いがなければ、証拠能力が認められる。⇒× 被告人にとって不利な内容ではない。任意性の要件は不要。
ウ.供述録取書②については、供述録取書③と同じ要件の下で、証拠能力が認められる。⇒②は否認、③は自白。自白は不利益内容なので任意性が求められる。同じ要件ではない。
エ.供述録取書③については、刑事訴訟法第319条第1項は適用されず、同法第322条第1項ただし書が適用される。⇒× 自白なので319条も当然適用される。
オ.供述録取書③が、検察官による取調べにおいて作成された場合であっても、証拠能力が認められる要件は同じである。⇒〇 いずれも署名押印があれば322条1項に基づき任意にされた供述として証拠能力が認められる。
・R6~弾劾証拠の話
〔第20問〕
次の【見解】は、刑事訴訟法第328条の趣旨及び同条によって許容される証拠の範囲に関する
ものである。後記アからオまでの【証拠】のうち、【見解】に照らし、同条によって許容される証
拠に当たるものには1を、当たらないものには2を選びなさい。なお、被告人AがⅤを包丁で刺し
て殺害したとする殺人被告事件の公判期日において、本件犯行当日に犯行を目撃したとするWが、
「Vを包丁で刺したのはAでした。」と証言しているものとする。また、いずれの証拠との関係で
も、同法第326条の同意はなされていないものとする。
【見解】
「刑事訴訟法第328条は、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述が、
別の機会にしたその者の供述と矛盾する場合に、矛盾する供述をしたこと自体の立証を許すことに
より、公判準備又は公判期日におけるその者の供述の信用性の減殺を図ることを許容する趣旨のも
のであり、別の機会に矛盾する供述をしたという事実の立証については、同法が定める厳格な証明
を要する趣旨であると解するのが相当である。
そうすると、同条により許容される証拠は、信用性を争う供述をした者のそれと矛盾する内容の
供述が、同人の供述書、供述を録取した書面(同法が定める要件を満たすものに限る。)又は同人
の供述を聞いたとする者の公判期日の供述の中に現れている部分に限られるというべきである。」
【証拠】
ア.Wの知人Zによる、「Wは、本件の翌日に、『私は昨日BがⅤを包丁で刺すのを見た。』と言っていた。」とする公判期日の供述 ⇒ × これ難しいね。Zの証言は別人の証言だから自己矛盾の線からは消える。でも法務省の回答は〇となっていた。なぜ?
イ.本件当日の日付のWの日記で、「今日BがⅤを包丁で刺すのを見てしまった。」との記載があるもの⇒〇 これは自己矛盾なので弾劾証拠とできる。
ウ.Wが本件の捜査段階において司法警察員Kの聞き込みに応じてした「私はBがⅤを包丁で刺すのを見た。」という供述が記載されている、K作成に係る捜査報告書で、Wの署名及び押印がないもの ⇒× 厳格な証明が必要なので署名押印がなければ正確性が担保できないのでダメ。
エ.Wが本件の捜査段階において司法警察員の取調べを受けてした「私はBがⅤを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Wの署名及び押印があるもの⇒〇 正確性担保できている。
オ.Wとは別の地点から本件を目撃したとするYが本件の捜査段階において検察官の取調べを受けてした「私はBがⅤを包丁で刺すのを見た。」という供述を録取した書面で、Yの署名及び押印があるもの⇒× 弾劾証拠は自己矛盾していることに使うので別人のものは使えない。
まとめ
刑事訴訟の中で一番わかりにくいのがこの伝聞法則のところだと思う。だから何回も読み返して覚えよう。なんかわかってきた気がする。


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