はじめに
こんばんは、マークです。裁判を行っていく中で、弁護人依頼権や弁護人の地位が問題となってくる。この項はもう実践問題を中心に検討していきます。
問われること
・被告人と弁護人の関係、弁護人はどこまで法律行為ができるのか。どういったことができるのか。
過去問(法務省HPより)
・R6
〔第16問〕
次のアからオまでの各記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.弁護人は、検察官から取調べの請求がなされた書証について、被告人の明示した意思に反して、それを証拠とすることに同意することができる。⇒× 326条Ⅰ 同意する権利はあくまでも被告人にある。被告人の明示の意思に反した弁護人の同意は無効となる。
イ.控訴審では、被告人自身が弁論をすることはできず、控訴趣意書を被告人が差し出した場合でも、それに基づく弁論は弁護人が行う。⇒〇 388条、控訴審での弁論は弁護人でなければできないと規定。ついでに覚えておこう。被告人の出頭義務はない。許可あれば出られる。また出ろと命令されることはある。被告人質問は通常ない。被告人本人に弁論もない。新証拠の提出も基本ムズイ。裁判員裁判は控訴審はない。
ウ.弁護人は、あらかじめ証拠を保全しておかなければその証拠を使用することが困難な事情があるときは、公訴の提起前に限り、裁判官に押収、捜索、検証、証人の尋問又は鑑定の処分を請求することができる。⇒× 公訴の提起前ではなく、第1回公判期日前であればOK。つまり起訴後でもこれまでの期間であればOK。
エ.原審における弁護人は、被告人の明示した意思に反して、被告人のため上訴をすることができない。⇒〇 355、356 上訴の手続きも被告人の明示した意思が何よりも最優先される。
オ.弁護人は、捜査機関が令状の発付を受けて行う捜索差押えに立ち会う権利を有する。⇒× ひっかけ問題~113Ⅰは裁判所が行う捜索差押であり、これには立ち会う権利があるが、捜査機関が行う捜索差押222条Ⅰでは113Ⅰを準用していないので立ち会う権利がない。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ ⇒答え 4のイエ
・R7
〔第21問〕
弁護人に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。ただし、判例がある場合には、それに照らして考えるものとする。
ア.裁判所は、被告人の私選弁護人の数を制限することはできない。⇒× 刑訴規則27Ⅰ 制限することができる。被疑者の私選弁護人は3名を超えられない。
イ.勾留を請求された被疑者は、国選弁護人の選任を請求するに当たり、その資力のいかんを問わず、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に私選弁護人の選任の申出をしていなければならない。⇒× 37の2ⅠⅡ、37の3あらかじめ弁護士会に申し出をしておかないといけないのは資力が基準以上にある人のみ。
ウ.特定の被疑事実について裁判官に選任された被疑者の国選弁護人は、当該被疑事実についての勾留が取り消され、被疑者が釈放されたとしても、当該被疑事実について検察官の終局処分がされるまでは、被疑者の国選弁護人としての地位を失うことはない。⇒× 38の2 釈放されたら終わる(効力を失う)
エ.被告人に氏名を記載することができない合理的な理由がないのに、被告人の署名のない弁護人選任届によってした私選弁護人の選任は無効である。⇒〇 判例S40.7.20 表記の通り
オ.被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して私選弁護人を選任することができる。⇒〇 30条Ⅱ
1.アイ 2.アウ 3.イオ 4.ウエ 5.エオ ⇒ 答え 5のエオ
まとめ
弁護士試験なのでこの項目は何等か問われると思う。常識的な目線と条文知識が主。たまに判例もあるけど常識で解けるので頑張りましょう。


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