はじめに
こんばんは、マークです。今日は頻出の公判前整理手続についてやっていきましょう。毎年出るのでやっておけばコスパ高い項目となります。論文でも出ますよね。
問われること
これは条文問題であり、「316条の●第●項第●号」に書いてあるので正解。そこには書いてない(義務とは書いてない)ので不正解、といった感じで覚えるしかないです。できれば全条文を覚えておけると良いのですが、割と量があるので、直近3年で問われて条文を中心にいこう。
覚えよう
それでは実際に問われた条文を覚えておこう
・316条の2~公判前整理手続きに付す。~検察官、被告人、弁護人からの請求もしくは裁判所の職権でOK。請求があっても付す義務はないので注意。
・316条の5⑧~公判前整理手続きでできること。⇒証拠調べをする決定又は却下することを決定すること。⇒なので、留保も含まれるので注意。
・316条の9Ⅲ~公判前整理手続きに被告が出頭するとき裁判長は黙秘権の告知をしないといけない。
・316条の13Ⅰ~検察官は証明予定事実を記載した書面を裁判所に提出し、被告人・弁護人には送付しないといけない。
・同Ⅱ~検察官はそれを証明するために用いる証拠の取調べを請求しないといけない。
・316条の14Ⅰ~検察官が証拠請求したものについては被告人・弁護人に開示しなくてはならない。
同②(頻出)~証人とかが公判期日において供述すると思料する内容が明らかなるものを閲覧する機会を与えないといけない。
・同Ⅱ~検察官はⅠ項の開示をした後に被告人・弁護人に対し、検察官保管の証拠一覧を交付しなければならない。
・316条の15Ⅰ~検察官の請求証拠の証明力を判断するために重要と認められもので、被告人・弁護人から請求があり、相当と認められる場合は開示しないといけない。証人の供述録取書等。
・316条の17~被告人・弁護士は主張があるときは裁判所、検察官に対してこれを明らかにしなければならない。
・316条の20~316条の14、316条の15の規定で開示した証拠以外の証拠であっても被告人・弁護人が主張することと関連すると認められるものは被告人・弁護人の請求があれば相当な場合は開示しなければならない。
・316条の32Ⅰ~公判前整理手続き終了時に失効権⇒既に請求していた証拠の扱いは?⇒OK。
~已むを得ない事由があれば証拠請求できるのか?⇒できる。
・同Ⅱ ~裁判所は必要があれば職権で証拠調べができる。(妨げるものではないと規定)
・裁判員法50条~時間がかかる鑑定等は先んじてすることができる。
過去問(法務省のHPより)
・R5
〔第25問〕
次の【事例】について述べた後記アからオまでの【記述】のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
【事例】
甲は、強盗致傷の被疑事実で勾留され、国選弁護人としてAが選任された。甲は、被疑事実と同一の事実により、H地方裁判所に起訴された。
本件強盗致傷事件は、公判前整理手続に付されたところ、第1回の公判前整理手続期日に先立ち、検察官は証明予定事実記載書を提出し、また、証明予定事実を証明するために用いる証拠の取調べを請し、それらを①起訴後においても国選弁護人であるAに開示した。その中には、本件強盗致傷事件の犯人の容ぼうが甲によく似ていると供述する目撃者乙の検察官に対する供述調書が含まれていた。②その後、第1回の公判前整理手続期日が指定され、同期日に甲が出頭した。
第1回の公判前整理手続期日の後、Aは、検察官に対し、③刑事訴訟法第316条の15に基づき、乙の供述調書の証明力を判断するために重要な証拠として、乙の他の供述録取書等の開示を請求し、同条の要件を満たす乙の供述録取書等は全てAに開示された。
Aは、その後、裁判所及び検察官に対し、甲は本件強盗致傷事件の発生した日時に、事件現場から遠く離れたI市にいたのであって、本件強盗致傷事件に関与していない旨のアリバイ主張を記載した予定主張記載書面を提出するとともに、本件犯行日時にI市において甲と一緒にいたという甲の友人である丙の証人尋問を請求した。④裁判所はこれに対し、検察官の意見を聞いた上で、丙の証人尋問を決定した。その後、公判前整理手続が終了して公判期日が開かれ、公判期日において丙の証人尋問が行われ
た。⑤丙は、その証人尋問において、本件犯行日時にI市において丙のスマートフォンで撮影した写真に偶然、甲が写っているものがある旨の証言をした。なお、A及び甲は、同証人尋問前に丙から同写真の存在を知らされておらず、公判前整理手続において、同写真の証拠調べ請求はされていない。
【記述】
ア.下線部①で起訴後もAが国選弁護人の地位にあるためには、改めて第一審の国選弁護人として選任される必要がある。⇒× 改めてはいらない。他に選任されていたりすれば話は別だが。
イ.甲に対しては、第1回公判期日の冒頭手続において黙秘権の告知が行われるが、下線部②の甲が出頭した最初の公判前整理手続期日においても、裁判長は甲に対し、黙秘権の告知をしなければならない。⇒〇 これは必要と規定されている(316条の9)
ウ.弁護人は、検察官が取調べを請求した乙の供述調書について、公判前整理手続中に刑事訴訟
法第326条の同意をするかどうか、又はその取調べの請求に関し異議がないかどうかの意見
を明らかにしなければならないが、その時期は、下線部③の開示がされた後でよく、それより
も前に意見を明らかにする必要はない。⇒〇 316条の5⑧ 留保も含む
エ.下線部④の丙の証人尋問のほかにもアリバイ主張に関連してAが証拠調べを請求した証拠が
あったとしても、裁判所はそれらについて証拠調べをする決定又は証拠調べの請求を却下する
決定をしないまま公判前整理手続を終え、丙の証人尋問を実施した後、それらの証拠の取調べ
をするか否かを決定してもよい。⇒〇 316条の32Ⅰ 失効権の規定があるも、すでに請求済であれば失効の対象外となる。
オ.下線部⑤の写真について、公判前整理手続の中で証拠調べ請求がされることなく同手続が終
了した以上、Aが丙の証人尋問終了後にその証拠調べを請求する余地はない。⇒× 偶然写っていた。已むを得ない事由による証拠請求ができる余地あり。316条の32Ⅰ
1.ア イ 2.ア オ 3.イ ウ 4.ウ エ 5.エ オ ⇒ 答え2のアオ
・R6
〔第15問〕
公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.検察官又は弁護人は、裁判所に対し、公判前整理手続に付すことを請求できない。⇒× できる316条の2
イ.検察官は、証人の尋問を請求する場合、争点及び証拠の整理のために、その者の供述録取書等のうち、その者が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになるものを裁判所に提出しなければならない。⇒× 被告人・弁護人に送付する 316条の14
ウ.弁護人は、公判前整理手続に付された事件の公判において被告人の行為が正当防衛に該当するとの主張を行う予定がある場合、公判前整理手続において、裁判所及び検察官に対し、これを明らかにする必要がある。⇒〇 316条の17
エ.公判前整理手続に付された事件の公判では、検察官、被告人及び弁護人が公判前整理手続において取調べを請求しなかった証拠について、裁判所が職権で証拠調べをすることはできない。⇒× 職権で証拠調べができる 316条の32Ⅱ
オ.裁判所は、公判前整理手続において鑑定を行うことを決定した場合、鑑定の結果の報告がなされるまでに相当の期間を要すると認めるときには、公判前整理手続内において、鑑定人に鑑定の手続の一部を行わせることができる。⇒〇 裁判員法50条
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒ 答え 5のウオ
・R7
〔第18問〕
公判前整理手続に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものの組合せは、後記1から5までのうちどれか。
ア.被告人は、裁判員裁判の対象事件ではない事件について、事件を公判前整理手続に付することを求めることができる。⇒〇 316条の2Ⅰ
イ.裁判所は、裁判員裁判の対象事件ではない事件について、検察官と弁護人の双方が公判前整理手続に付することを求めている場合には、事件を公判前整理手続に付さなければならない。⇒× 義務はない。裁判所の裁量。
ウ.検察官は、公判前整理手続に付された事件において、検察官請求証拠の開示をした後、被告人又は弁護人から請求があったときは、速やかに、被告人又は弁護人に対し、検察官が保管する証拠の一覧表の交付をしなければならない。⇒〇 その通り 316条の14Ⅱ
エ.検察官は、公判前整理手続において取調べを請求した証人について、被告人又は弁護人に対し、同証人が公判期日において供述すると思料する内容が明らかになる書面等を閲覧する機会を与えなければならない。⇒〇 316条の14Ⅰ②
オ.裁判所は、公判前整理手続において検察官及び弁護人が行った証拠調べの請求の全てについて、同手続終結までに、証拠調べをする決定又は証拠調べの請求を却下する決定をしなければならない。⇒× 留保も可 316条の5⑧
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ ⇒ 答え 3のイオ
まとめ
毎年必ず出題されてきているので覚えよう。できれば316条全体をみておくとベター。


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