はじめに
前回は不動産の物件変動をやりましたが、本日は動産の物件変動における内容で公信の原則というものがありますので(即時取得)やっていきます。それでははじめます。
何を問われるか
即時取得の有効性が問われます。各設問について判例の判断等についての正誤が問われます。
取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、その者が善意無過失であるときは、即時にその動産について行使する権利(所有権等)を取得する。(192条)
・取引行為:売買、贈与、弁済、代物弁済、質権設定。相続は含まれない!!
・有効性:有効な取引行為でなくてはならず、虚偽表示や無権代理による無効な場合は意思の瑕疵がある場合は192条は適用されない。
・平穏:暴行・強迫によらないこと。
・公然:隠匿によらないこと
・占有をはじめた:占有改定によるものはダメ(S35.2.11)。指図による占有移転はOK(S57.9.7)
過去問(法務省HPより)
・R6
〔第4問〕
即時取得に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AがBから預かっているB所有の種子甲を自らの所有物であると偽って、Cに対し、消費貸借の目的として貸し、現実の引渡しをした場合には、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じたときであっても、Cは、甲の所有権を即時取得しない。⇒× 消費貸借は所有権の移転を伴う取引行為。借主が善意無過失であれば即時取得が成立する。
イ.Aは、代理権を有していないにもかかわらず、Bの代理人と称して、B所有のパソコン甲を、Bが甲の所有者であることを知るとともに、AがBの代理人であると過失なく信じたCに売り、甲を現実に引き渡した。この場合は、Cは、甲の所有権を即時取得しない。⇒〇 無権代理の相手方は即時取得の保護対象人ならない。この問題は注意!! 即時取得の目的は処分権限がない人を権限がある正しい所有者だと信じて取引をした人を保護するもの。他人物売買は通常、買手は目の前の売主が所有者だと信じる。でも処分権がなかった場合処分権の欠缺をカバーしようとするのが即時取得制度。一方無権代理については買手は最初から目の前の人は所有者ではないことを知っている。買手が誤解したのは代理権の有無。即時取得では「代理権の欠缺」まで救うことはできない。→表見代理等で対応する。
ウ.Aは、A所有のパソコン甲をBに売り、現実の引渡しをした後、錯誤を理由にAB間の売買契約を取り消した。Bが甲の現実の引渡しを受けた時に、Aの意思表示に錯誤がないと過失なく信じていたときであっても、Bは、甲の所有権を即時取得しない。⇒〇 契約書取消は取引行為による無権利者からの取得ではない。即時取得の条件を満たさない。
エ.Aは、Bから預かっているB所有のパソコン甲を自らの所有物であると偽ってCに売り、Cとの間で、以後AがCのために甲を占有する旨の合意をした。この合意の時に、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じていたときは、Cは、甲の所有権を即時取得する。⇒× 占有改定では即時取得は認められない。S35.2.11
オ.Aは、BからB所有のパソコン甲を預かっていた。Aが死亡し、Aの唯一の相続人Cが甲の占有を始めた場合には、Aが甲の所有者であるとCが過失なく信じていたときであっても、Cは、甲の所有権を即時取得しない。⇒〇 相続は取引行為にあたらない。単なる包括承継人。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ ⇒ 答え 2のアエ
まとめ
不動産は毎年聞かれますが、動産もセットで覚えておきましょう。コスパは良いはずです。それでは。


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