民法のラスボス(親族・相続)民法 短答20

短答式 民法

はじめに

こんばんは、マークです。本日は民法のラスボスである親族・相続をやっていきます。家族法ともいいますね。民法の中でも最後の方にあり、なかなか学習が進まない分野かもしれません。でも、生きていれば結婚、親の相続って必ず発生するんですよね。一生独身、天涯孤独の方も実は自分が死んだあとはどうなるかって法律で決まってたりします。全部やるとやはり広範囲になるので、直近3年の過去問にフォーカスして検証していきたいと思います。

何を聞かれるか

親族とは、夫婦とは、婚姻の要件は、離婚による財産関係はどうなるのか、養子の種類、特別養子とは、相続とは、相続の承認・放棄とは、それにともなう財産管理の度合いは、遺留分とは…。自分で書いてて、あれっ大丈夫かな?ってなってくるね。まあ、それはさておき、前に進みましょう。本日は過去問で検証していくんです。


過去問(法務省HPより)

・R6

〔第14問〕
婚姻及び離婚に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.父と母が、子に嫡出子の地位を得させるための便法としてすることを合意して婚姻の届出をしたものの、父母の双方に真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思がなかったときは、婚姻は、無効である。⇒ S44.10.31 婚姻の意思が必要なのです!!。それがなければその婚姻は無効とされているのです。
イ.夫婦としての実質的生活関係が存続している男女が婚姻意思に基づいて婚姻届を作成したものの、婚姻届の提出の時にその一方が昏睡状態に陥っていたときは、婚姻は、無効である。⇒× S44.4.3 これは有効なのです。作成時は婚姻の意思あり、提出時は昏睡状態…一瞬昏睡していたのであれば意思がないのではとも思える事案。しかし刑法の共犯の共謀のように実行時になければならないけど、最初の共謀があってその後、中止してなければ、実行時も共謀はあったでしょみたいに考えればよいのかなと思います。婚姻届け作成後に拒絶の意思表示がないのでこれはそのまま意思があったと認定されるのだそうです。婚姻は①法律上の身分関係を生じさせる真摯な意思があるか②その意思が届け出の瞬間に存在しているか で判断します。
ウ.夫婦としての実質的生活関係が存在している男女の一方が他方の意思に基づかずに婚姻届を作成し、これを提出したものの、後に他方が当該届出の事実を知ってこれを追認したときは、婚姻は、その追認の時から有効となる。⇒× これ説明がすごく苦しいのだけれど、追認したら届け出の当初に遡及して有効になるってものなのだ。これが家族法のやっかいなところだと思う。身分に関しては法定安定を優先させることがあるのだ。空白期間に子供が生まれていたとすると認めなければ嫡出子じゃないよねとなってしまうとかの問題が発生するのだ。
エ.夫婦が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいて離婚の届出をしたものの、その届出が生活保護費の受給を継続するための方便としてのものであり、その後も夫婦としての実質的生活関係を継続したときは、離婚は、無効である。⇒〇 真の意思でなければ無効(前述の通り)。
オ.夫婦が、離婚意思に基づいて離婚届を作成し、夫婦の一方がいったん保管した後にこれを提出したものの、他方が届出時までに翻意していたことが明確であったときは、離婚は、無効である。⇒ 翻意(いったん決めたものをひるがえして変更すること)していたのであれば無効です。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ ⇒ 答え 2のアオ

・R5

〔第14問〕
離婚に伴う財産分与に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.裁判所は、離婚をした者の一方が過当に負担した婚姻費用の清算のための給付を含めて、財産分与の額及び方法を定めることができる。⇒ S53.11.14 判例
イ.離婚に伴う財産分与請求権の具体的内容が協議によって形成された後は、これを被保全債権とする債権者代位権の行使が認められる。⇒ S55.7.11 頻出問題。協議で形成されれば債権者代位権の対象となる。
ウ.内縁の妻Aの死亡により内縁の夫Bとの内縁関係が解消した場合には、Bは、離婚に伴う財産分与の規定の類推適用により、Aの相続人に対して財産分与を請求することができる。⇒× H12.3.10 内縁関係では財産分与請求はできない。
エ.協議上の離婚をした者の一方は、相手方が離婚につき有責でない場合であっても、財産分与を請求することができる。⇒ S31.2.21 財産分与はできる。有責とは浮気とか暴力といったもの。これがなくても分与できなければどちらかが一文無しになってしまうよね。
オ.離婚した当事者の協議により合意された財産分与は、不相当に過大であっても、詐害行為として取り消されることはない。⇒× 財産分与に仮託された(財産を隠すための)処分は詐害行為として取消されうる。
1.ア イ 2.ア エ 3.イ オ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒答え 5のウオ


・R7

〔第13問〕
A及びBの実子Cを養子とし、D及びEを養親とする特別養子縁組に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.A及びBがCを悪意で遺棄していたときは、特別養子縁組の成立には、A及びBの同意を要しない。⇒ 817条の6 原則は必要→でも例外的に不要であるそれが設問のケース。
イ.Cが15歳に達しているときであっても、特別養子縁組の成立には、Cの同意を要しない。⇒× 817条の5Ⅲ~特別養子縁組は親族関係断絶型なので年齢制限がある。原則請求時に15歳に達していないことと成立時に18歳に達していないこと。とはいえ色々な事情がある。そこで15歳になる前から養親候補者が実質的に育てている(監護している)こと、已むを得ない事由があること(実親の強い反対があった等)、本人の同意があること がそろっていれば認めましょうというもの。だから15歳に達している場合は本人の同意が必要なのです。
ウ.DとEとが婚姻していないときは、特別養子縁組は、することができない。⇒ 817条の3 配偶者のある者でなくてはならない。25歳以上であることも必要(一方が25歳以上ならもう一方は20歳以上なら可)
エ.A及びBが死亡しているときは、特別養子縁組の離縁は、することができない。⇒ 817条の10 離縁できる条件が決まっている。①養親による虐待、悪意の遺棄等子の利益を著しく害する事由があること②実父母が相当の監護をすることができること。
オ.D及びEがCの親族であるときは、家庭裁判所は、特別養子縁組の成立の審判の時までD及びEがCを監護したことがなくても、特別養子縁組を成立させることができる。⇒× そんな規定はない。きちんと6か月以上試験養育期間を置けとなっている(817条の8Ⅰ)。
1.アウ 2.アエ 3.イウ 4.イオ 5.エオ⇒答え 4のイオ

・R5

〔第15問〕
相続の承認及び放棄に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.他の共同相続人に強迫されて相続の放棄をした者が相続の放棄の取消しをしようとするときは、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。⇒ 919条Ⅳ 相続放棄の取消しは家裁に申述!
イ.相続人は、相続の承認又は放棄をするまでの間、その固有財産におけるのと同一の注意をもって、相続財産を管理しなければならない。⇒ 918条Ⅰ 相続人の財産の扱いレベル=その固有財産におけるのと同一の注意をもって管理しなければならない。まだ相続するかどうか分からない情況の中での管理となることからそのまま置いておいてくださいといった感じなのでしょうかね。~さて財産の管理には3段階あります。①善管注意義務:最上位にて遺言執行者とか、共有財産に対しては求められる。②自己の財産におけるのと同一の注意、③その固有財産におけるのと同一の注意 の順となりますので相続にはかなり緩い感じで管理すればよいということになりますね。特に初期段階はね。
ウ.相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、善良な管理者の注意をもって、その財産を管理しなければならない。⇒× 940条Ⅰ 自己の財産におけるのと同一の注意でと規定されている。
エ.相続人Aが相続の放棄をしたことにより相続人となったBが相続の承認をした場合には、Aは、その後に相続財産の一部を私に消費したとしても、単純承認をしたものとはみなされない。⇒ 921条③ これはひっかけに近いが規定されているのだ。すでに確定的に財産を引き継いでいる人がいるのでその財産を使ったとしても横領とか不法行為となるに過ぎないと考えるのだ。
オ.限定承認者は、受遺者に弁済した後でなければ、相続債権者に弁済することができない。⇒× これは債務者への返済が先となります。借金を返す方が他人にプレゼントをあげる(遺贈)するより先でしょということ。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エ オ ⇒ 答え4のウオ

・R7

〔第14問〕
相続の承認及び放棄に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたもの
は、後記1から5までのうちどれか。
ア.被相続人Aの子Bが相続の放棄をした場合において、Bの子CがAの直系卑属であるときは、Cは、Bを代襲して相続人となる。⇒× 887条 代襲原因には相続放棄は含まれない。
イ.15歳に達している未成年者が法定代理人の同意を得ないでした相続の放棄は、取り消すことができない。⇒× 撤回はできないとされているが、行為能力の制限などによる取消まで否定するものではないとされている(これムズイよね)。相続の放棄の取消しは家裁への申述で行う。
ウ.家庭裁判所に申述が受理された相続の放棄は、撤回することができない。⇒ 919条
エ.相続人は、単純承認をしたときは、無限に被相続人の権利義務を承継する。⇒ 920条 規定通り こう書いてある。
オ.相続人Aが相続の放棄をした場合であっても、次順位の相続人Bが相続の承認をした後に、Aが相続財産の全部を私に消費したときは、Aは、単純承認をしたものとみなされる。⇒× 921条③ 頻出問題なので必ず覚えておこう。
1.アイ 2.アウ 3.イオ 4.ウエ 5.エオ ⇒ 答え4のウエ

・R6

〔第15問〕
遺留分に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.代襲相続人は、遺留分を有しない。⇒× 遺留分はある。1042条、901条
イ.被相続人の兄弟姉妹は、遺留分を有しない。⇒ 1042条
ウ.Aが死亡し、その子B及びCがAの相続人となるべき場合は、Bが相続の放棄をしたときでも、Cが遺留分として受ける額は、変わらない。⇒× 相続放棄すると除外されるので残った相続人の遺留分の額も当然変化する。(額で聞いてくるのがやらしい。遺留分は1/2とかって思って急いでいると間違えるよね。)
エ.相続の開始前における遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り、効力を生ずる。⇒ 1049条 相続の開始前に遺留分放棄できるんだ~という感じ。相続人が遺留分を生前に放棄する意味は、被相続人の財産処分を自由にしてあげるということなのだ。また、注意すべきは相続放棄は生前にはできないので混同しないこと。相続放棄が生前にできないのは、まだ存在していない権利で、親から特定の子供への借金の押し付け等を防止するためらしい。
オ.遺留分侵害額の請求は、訴えによってしなければならない。⇒× 単純な意思表示でOK。訴えによる必要はない。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ ⇒ 答え4のイエ

まとめ

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