はじめに
こんばんは、マークです。今回は最近毎年1問出題されている用益物権(地上権、永小作権、地役権等)について検証しいきましょう。
何を問われるか
条文、判例が織り交ぜられて出題されます。各自所有のテキストの範囲は広くないと思います。ざっと読んで問題をみれば、ああこういうところが聞かれるのねという感じで理解できると思います。あまり時間的な余裕がないので過去問にて検証をしていきます。
過去問(法務省HPより)
・R5
〔第5問〕
用益物権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.地上権設定契約において地上権の譲渡を禁止する旨が合意された場合であっても、地上権の譲渡は、その効力を妨げられない。⇒〇 地上権は物権なので勝手に譲渡ができる。ちなみに譲渡禁止特約については当事者間でのみ有効とされる。だからそれに反して譲渡された場合、譲受人に対しては対抗できない。約束を破った相手には損害賠償請求するぐらいかなあ。譲受人が信頼関係を破壊するようであれば地上権設定契約の解除もできるであるが、誠実で地代をきちんと払っていれば信頼関係が破壊されたとは認められないのが普通。
イ.法定地上権を取得した者は、その地上権の目的である土地の所有者に対して地代を支払うことを要しない。⇒× 土地の所有者は地代を請求できるので、地上権の取得者が地代の支払いを要しないとうことはないのだ。
ウ.無償の永小作権は、設定することができない。⇒〇 地上権とか無償でも設定できるが、永小作権だけは有償なので注意。そもそも物権の内容として、小作料を支払って土地を利用する権利なのだ。
エ.地役権は、存続期間を定めないで設定することができる。⇒〇 存続期間定めなくてもOK。永久もあり。
オ.入会権の行使を妨害する者に対する妨害排除請求権の行使は、別段の慣習がない限り、入会団体の構成員の全員でしなければならない。⇒× 妨害排除は単独で当事者適格が認められる。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ ⇒ 答え4のイオ
・R7
〔第15問〕
地上権及び土地賃借権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.地上権者は、地上権に基づく地上権設定登記請求権を有し、土地賃借人は、賃貸借契約に基づく賃借権設定登記請求権を有する。⇒× 地上権のみ請求権あり。これは物権と債権の違いからくるものである。
イ.地上権者は、土地所有者に対して、地上権に基づき土地を使用に適した状態に置くよう請求する権利を有しないが、土地賃借人は、土地賃貸人に対して、賃貸借契約に基づき土地を使用に適した状態に置くよう請求する権利を有する。⇒〇 これも物権と債権の違いからくるもの。地上権は物権なので土地に対する直接の支配権となるので自ら使用に適した状態にできる。一方賃借権は債権なので賃貸人側が目的物の使用・収益に適した状態におく義務があることから、賃借人はその状態になることを請求できるというロジックになる。
ウ.地上権は、時効によって取得することができるが、土地賃借権は、時効によって取得することができない。⇒× 地上権はOK(S45.2.8)、賃借権もOK(S43.10.8)
エ.建物所有を目的とする地上権も、建物所有を目的とする土地賃借権も、それぞれの権利者がそれぞれの権利の目的物である土地の上に登記されている建物を所有するときは、そのことをもって第三者に対抗することができる。⇒〇 借地権、借地借家法2条、登記された建物があればOKで対抗できる。
オ.地上権者は、地上権の目的物である土地の所有者の承諾を得なければ、その土地を第三者に賃貸することができず、土地賃借人も、賃貸人の承諾を得なければ、賃借物である土地を転貸することができない。⇒× 369条Ⅱ 地上権は勝手にできる。612条Ⅰ 転貸は賃貸人の承諾が必要。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ エ 4.ウ オ 5.エオ ⇒答え3のイエ
・R6
〔第5問〕
地役権に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.地役権者による承役地の使用は、地役権の目的を達成するのに必要であり、かつ、承役地の所有者のために損害が最も少ない範囲に限られる。⇒〇 常識的にそうだろうね。
イ.地役権は、設定行為に別段の定めがあるときを除き、要役地について存する地上権の目的となる。⇒〇 表現が難しい問題。「~の目的となる」というのは「~のセットに含まれる」という意味。付随性があるのでその通りとなる。281条Ⅰ。
ウ.承役地の所有者が設定行為により自己の費用で地役権の行使のために工作物を設ける義務を負担したときは、承役地の所有者の特定承継人も、その義務を負担する。⇒〇 286条 なんやねん。承役地の人間がわざわざ工作物設けることなんかするんかいなとも思えるが、条文そのまんま。
エ.要役地が数人の共有に属するときは、共有者全員について消滅時効の更新事由がなければ、時効の更新は、その効力を生じない。⇒× 真逆の内容。292条 誰か一人に時効の完成猶予、更新(時効中断)があれば、他の共有者のためにも生じる。この問題なんかこねくり回して訳が分からん設問になっているよね。
オ.通行地役権は、承役地となる土地の所有者によってその土地の上に通路が開設されたときでなければ、時効によって取得することができない。⇒× S30.12.26 要役地の所有者が行った場合でも認められる。基本事項取得するためには、①通路の開設が必要(ただ通ってましただけではダメで、外形上認識できるものが必要)、②通路開設するのは要役地の所有者 となる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ ⇒ 答え5のエオ
まとめ
最近毎年1問出題されるので絶対に押さえておきたい項目だよね。頑張りましょう。それでは。


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