はじめに
こんばんは、マークです。今回から商法の山場といっても過言ではない機関についてやっていきます。とりあえずできる範囲でやっていきます。それでははじめます。
何が問われるか
各機関(株主総会、取締役、取締役会、監査役、監査役会、委員会、会計監査人)について条文や判例が細かく問わることがあります。直近3年の過去問に沿って検証していきます。
過去問(法務省HPより)
・R7
〔第21問〕
株式会社(特例有限会社を除く。)の機関に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.会社法上の公開会社である大会社であって、その発行する株式について有価証券報告書の提出を義務付けられているものは、会社法上、社外取締役を2人以上置かなければならない。⇒× 327の2 一人いればよい。ちなみに328条で大会社で公開会社は監査役会と会計監査人を置くことが義務となっているので、本問で公開会社で大会社と出てきたら「監査役会設置会社ね」ってピンとこないといけない。さらに監査等委員会設置会社では監査委員となる取締役は3名以上で過半数が社外取締役であることが求められている(331条Ⅵ)。
イ.監査役会設置会社は、取締役会を置かなければならない。⇒〇 中小企業診断士の一発合格道場の図をみることをおすすめします。~この図は神憑っている(勝手にリンク載せていただきました。すみません。)⇒【渾身】図で覚える 株式会社の機関設計 (経営法務)【中小企業診断士】 – 中小企業診断士試験 一発合格道場
ウ.大会社は、取締役会及び監査役会を置かなければならない。⇒× 大会社なので上記リンクの図でいくと一番上の会計監査人までの設定が必要。しかし一番左(公開会社でなければ使える)、右のルート、つまり委員会をつくれば監査役会を設置せずともOKだ。
エ.指名委員会等設置会社の監査委員は、当該指名委員会等設置会社の執行役を兼ねることができない。⇒〇 400Ⅳ 執行役にはなれない。自分で自分をチェックすることになってしまう。
オ.監査等委員会設置会社は、取締役の過半数が社外取締役でない場合には、取締役会の決議によって重要な業務執行の決定の一部を取締役に委任することができる旨を定款で定めることができない。⇒× 399の13Ⅵ 定款に譲ることができると書いておけば、4項の内容は委任できる。5項の内容はダメだけど。
1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ ⇒ 答え 4のイエ
・R6
〔第20問〕
取締役会設置会社でない株式会社に関する次の1から5までの各記述のうち、誤っているものはどれか。
1.取締役会設置会社でない株式会社は、定款の定めに基づく取締役の互選によって、取締役の中から代表取締役を定めることができる。⇒〇 349Ⅲ 互選もしくは取締役会の決議で代取を決めれる
2.取締役会設置会社でない株式会社は、監査役を置くことができる。⇒〇 326Ⅱ 任意でOK。
3.取締役会設置会社でない株式会社は、監査役会を置くことができない。⇒〇 327Ⅰ②
4.取締役会設置会社でない株式会社の株主は、株主総会の日の前に当該株式会社に対して通知をすることなく、その有する議決権を統一しないで行使することができる。⇒〇 313 議決権の不統一行使(取締役会設置会社だと株主総会の3日前までに通知しなければならない。円滑のため。)
5.取締役会設置会社でない株式会社において、取締役が2名以上ある場合において、代表取締役その他当該株式会社を代表する者を定めていないときは、取締役は、定款に別段の定めがある場合を除き、委任を受けていなくても、各自が当該株式会社の業務を決定することができる。⇒× 348Ⅱ 方針は過半数で決める。代表権はそれぞれがもつので混同しないこと。
・R7
〔第20問〕
株式会社(特例有限会社を除く。)の株主総会に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.会社法上の公開会社は、株主総会の招集の通知を発すべき時を当該株主総会の日の10日前までとする旨を定款で定めることができない。⇒〇 299条 2週間前、公開会社は短縮できない。非公開は1週間(もしくは定款でそれ以下にもできる)。
イ.株主総会は、当該株主総会に出席しない株主が書面によって議決権を行使することができることとされた場合には、株主の全員の同意があるときであっても、招集の手続を経ることなく開催することはできない。⇒〇 300,301 全員の同意あればよさそうだけど、書面で議決権を行使することができるとした場合は招集の手続きを省略できない。(株主が事前に熟慮して投票する期間を絶対に省略してはならないという強いブレーキがかかっている。)
ウ.株主が株主総会の日より相当の期間前に当該株主総会において説明を求める特定の事項を株式会社に対して通知した場合には、当該株主総会において当該事項について説明を求められた取締役は、説明をするために調査をすることが必要であることを理由に説明を拒むことができない。⇒〇 314、規則72Ⅲ④を根拠に時間を要するものであれば拒否できるが、相当前から出ていたものに対してはできない。
エ.株主総会参考書類等の内容である情報について電子提供措置をとる旨の定款の定めがある株式会社の株主は、当該株式会社に対し、電子提供措置事項を記載した書面の交付を請求することができない。⇒× 325の5Ⅰ 請求できると規定されている。
オ.会社法上の公開会社の株主総会は、会社法に規定する事項及び株式会社の組織、運営、管理その他株式会社に関する一切の事項について決議をすることができる。⇒× 295Ⅱ 一切ではない。この法律に規定する事項および定款で定めた事項に限り、決議をすることができる。 個別商品の仕入、オフィス移転の契約、新規雇用の決定等は取締役会の専属権限。
1.アウ 2.アエ 3.イウ 4.イオ 5.エオ ⇒答え 5のエオ
・R5
〔第19問〕
株主総会に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.判例の趣旨によれば、会社法上の公開会社でない取締役会設置会社は、取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を選定することができる旨を定款で定めることができる。⇒〇 H29.2.21 通常は取締役会で決める。定款にかいておけば株株主総会で決定してもOK。
イ.株式会社は、株主総会の場所に存しない株主を、映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法によって、当該株主総会に出席させることはできない。⇒× ハイブリッド型バーチャル株主総会、法務省令で出席方法を議事録に書くように義務付けられているので本件のような出席も認めていると考えられる。
ウ.判例の趣旨によれば、定款に株主総会で議決権を行使する代理人を株主に限定する旨の定めがある場合には、法人である株主は、その従業員であって株主でない者に株主総会における議決権を代理行使させることができない。⇒× S51.12.24 できるとしている。代理を株主に限るとする趣旨は総会屋等、秩序を乱す者の乱入を防ぐもの。通常法人の従業員であればそのようなことはないし、厳格にやってしまうと法人株主は議決権を行使できないことが多くなる。そのようなことからほんけんは認める。
エ.株式会社は、取締役を選任する株主総会の決議について、定足数をなくし、出席した株主の議決権の過半数をもって行うこととする旨を定款で定めることができる。⇒× 341 定足数を定款で下げることはできるが、なくすことはできない。
オ.監査役会設置会社は、取締役の選任について、株主からの請求があるときであっても累積投票によらない旨を定款で定めることができる。⇒〇 342 原則は株主から累積投票で選んでほしいと請求されたらそうしなくてはならない。でも定款に「うちはそれはしませんよ」ってかいておけば、請求があっても対応する必要なし。累積投票は「株数×候補者数」分の投票ができるようにすること。少数派でも票を集めやすくなる。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ ⇒答え 2のアオ
・R5
〔第20問〕
取締役会設置会社における株主提案権に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.議案Aと実質的に同一の議案Bが2年前の株主総会において総株主(議案Bについて議決権を行使することができない株主を除く。)の議決権の5分の1の賛成を得られたにとどまるときは、株主は、株主総会において、議案Aを提出することができない。⇒× 304条 1/10未満の賛成しか取れなかったもので3年以内に出した提案がダメ!!本問は1/5とれているので出せる。
イ.監査役会設置会社の株主が提出しようとする議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、監査等委員会を設置する旨の定款変更の議案と監査役及び監査役会を廃止する旨の定款変更の議案は、1つの議案とみなされる。⇒〇 305Ⅳ④ 2つ以上の議案を出しても同じ結論じゃなかったら矛盾しちゃうよっていう議題は一つの議題としてみますねってこと。
ウ.会社法上の公開会社においては、総株主の議決権の100分の1以上の議決権又は300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主に限り、株主総会において、株主総会の目的である事項につき議案を提出することができる。⇒× 304条 株主総会で提案する権利は、公開会社でも議決権割合の縛りはない。一方、議題提案権とか議案要領通知請求権は縛りがある。
エ.株主が提出しようとする複数の取締役の選任に関する議案の要領を株主に通知することを請求する場合には、当該請求との関係では、当該議案は、候補者の数にかかわらず1つの議案とみなされる。⇒〇 305条Ⅳ①、先ほどのイと同じ
オ.10を超える数の議案の要領を株主に通知することを請求した株主が当該請求と併せて当該議案相互間の優先順位を定めている場合であっても、取締役は、その裁量により、当該通知の対象から除外する議案を定めることができる。⇒× 305条Ⅴ 優先順位が定められている場合はそれに従うと規定されている。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒答え 3のイエ
・R6
〔第24問〕
株主総会の決議の取消しの訴えに関する次の1から5までの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものはどれか。
1.取締役の選任についての株主総会の決議の取消しの訴えは、株式会社及び選任された取締役を被告としなければならない。⇒× 834条⑰ 被告は株式会社のみ。
2.株主総会の決議の取消しの訴えを提起した株主が出訴期間の経過後に当初の主張とは異なる取消事由を新たに追加して主張することは、許されない。⇒〇 S51.12.24 許されません。
3.株主は、他の株主に対する株主総会の招集手続の瑕疵を理由として株主総会の決議の取消しの訴えを提起することができない。⇒× S42.9.28 認められている。
4.ある事業年度に係る計算書類の承認についての株主総会の決議の取消しの訴えに係る訴訟が係属している間に、その次の事業年度に係る計算書類が株主総会において承認された場合には、特別の事情がない限り、当該決議の取消しを求める訴えの利益が失われることとなる。⇒× H2.4.17 失われない。
5.取締役の解任を目的とする株主総会において、取締役の解任の議案が否決された場合には、当該議案に賛成した株主は、当該株主総会の決議の取消しの訴えを提起することができる。⇒× H16.1.29 解任しないという決議がされたということ。否決されたことを理由として決議取消の訴えを提起することはダメ。
⇒答えは2
・R5
〔第25問〕
株式会社についての訴訟に関する次の1から5までの各記述のうち、正しいものはどれか。
1.株主総会決議取消しの訴えは、当該株主総会決議の日から1年以内に提起することができる。⇒× 831Ⅰ 決議の日から3か月。
2.株主総会決議不存在確認の訴えは、当該決議の存在を主張している株主を被告として提起することができる。⇒× 834⑯ 被告は当該株式会社
3.株主総会決議無効確認の訴えは、被告となる株式会社の支店の所在地を管轄する地方裁判所にも提起することができる。⇒× 835Ⅰ 被告の株式会社の本店の所在地管轄の地裁
4.株主代表訴訟は、会社法第423条第1項に基づく株式会社の役員等に対する損害賠償請求権を訴訟物とするものでなければならない。⇒× 423Ⅰ任務懈怠責任に基づく損害賠償請求だけでなく、株主の権利の行使に関する利益供与の返還請求(総会屋に裏で金がわたっていたら、それを返せと訴えること)
5.会社法上の公開会社である監査役設置会社が取締役であった者に対して貸金返還請求の訴えを提起する場合には、監査役が当該監査役設置会社を代表する。⇒〇 386Ⅱ① 馴れ合い、お手盛りを防止するためにそうなっている。
(参照条文)会社法
(役員等の株式会社に対する損害賠償責任)
第423条 取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下この章において「役員
等」という。)は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠
償する責任を負う。
2~4 (略)


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