民法総則ラスト(消滅時効)民法 短答7

短答式 民法

はじめに

こんばんは、マークです。本日は消滅時効についてやっていきましょう。でははじめます。

何を問われるか

・消滅時効の対象が債権(166条Ⅰ)と所有権以外の財産権(166条Ⅱ)に分かれる。

・債権の消滅時効は主観的起算点(権利行使できることを知ってから5年)と客観的起算点(権利行使できるときから10年)がある。権利行使できるとは法律上の障害がないという意味。債務者の同時履行の抗弁権が付着していても時効は進行する。

・例外がある。不法行為による損害賠償請求権は知った時から3年、不法行為の時から20年で時効完成となる。さらに人の生命身体を害する不法行為に関しては知ってから5年と主観的起算点が延長となる。医者とかが診療契約等を守らずに債務不履行となり、生命身体に侵害が及んだときも主観5年と客観20年の期間となる。

・その他、確定判決は10年。定期金債権(年金、養育費、家賃)は知った時から10年間、行使できるときから20年間。

・債権の種類と客観的起算点(これは短答対策)

 ~期限付債権⇒期限の到来時

 ~期限の定めのない債権⇒債権成立時

 ~返済期限の定めのない消費貸借上の債権⇒消費貸借契約の成立から相当期間を経過した時

 ~停止条件付債権⇒条件の成就時

 ~解除条件付債権⇒債権の成立時

 ~期限の利益喪失特約付きの割賦払い債権で期限の利益喪失⇒原則各割賦払い債務の約定弁済期到来時 (例外で残債全額の弁済を求める意思表示をしたときはその時が起算点となる)

 ~履行不能に基づく損害賠償請求⇒本来の債権の履行を請求できた時

 ~契約の解除による現状回復請求権⇒解除権を行使した時

・債権以外の権利の消滅時効要件~対象除外がある~所有権、占有権だ。担保物権は被担保債権から独立して時効にはならない。ただし抵当権は第三取得者や後順位抵当権者との関係では被担保債権から独立して消滅時効にかかる。判例T15.11.26 396条が適用されるのは当事者だけで、無関係の第三取得者には適用されないとした。

・判例は聞かれる。あたらしいものについても出題されている。次項過去問で出ている判例はざっとみておくとよい。


過去問(法務省HPより)

・R7

〔第3問〕
時効に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.後順位抵当権者は、先順位抵当権の被担保債権の消滅により後順位抵当権者の抵当権の順位が上昇すれば配当額が増加することになるときであっても、先順位抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができない。⇒〇 判例H11.10.21 時効の援用は当事者のみ(保証人等権利の消滅につき正当な利益を有する者を含む)。先順位が消滅すると後順位の配当額が上昇することもあるが、あくまで順位の上昇でもたらされる反射的な利益にすぎない。なので後順位者は先順位者の被担保債権の消滅時効を援用できない。あくまで消滅時効で直接利益を受けるのは債務者ということ。でも、この問題は難しい。なぜなら後順位抵当権者は先順位抵当権者の意思に反して先順位者の被担保債権について弁済ができるのだ。その時は正当な利益を有する者であると定義されるのだ(474条Ⅱ)。似たようなところで違う判断をしていかなくてはならないので迷わせる問題だ。このような問題は注意したい。
イ.債務者は、債務について消滅時効が完成した後に、時効完成の事実を知らずに債権者に対し債務の承認をしたときであっても、消滅時効を援用することができる。⇒× 判例S41.4.20 債務承認をしてしまったら、その前に時効だったのでとは言えない。信義則に反する内容となる。
ウ.抵当権が設定された不動産の第三取得者は、その抵当権の被担保債権の消滅時効を援用することができる。⇒〇 第三取得者は正当な利益を有するものと認定される。
エ.同一の当事者間に数個の金銭消費貸借契約に基づく各元本債務が存在する場合において、借主が、弁済を充当すべき債務を指定することなく全債務を完済するのに足りない額の弁済をしたときは、その弁済は、特段の事情のない限り、各元本債務についての承認に当たる。⇒〇 判例R2.12.15 令和の判例だ。判例はちょとくるしい感じがするのだが、通常債務者なら自分の借りている金額をそれぞれ知っているでしょ、普通どの借入の返済にするって指定するよね。指定なく弁済金を払ってくるという行為は元本債務全部について、その存在を知ってますよって表示することなんだと解されるとした。
オ.自己の所有物については、所有権の取得時効を援用することができない。⇒× S42.7.21 自己所有でも援用できる(162条)。
1.アウ 2.アエ 3.イウ 4.イオ 5.エオ ⇒ 答え4のイオ


まとめ

さあ、民法総則のラストでした。ベースを押さえておきながら判例も見ておく必要があるので注意だ。また迷わせるような問題も出してくるので意地が悪いよねと思う。呼吸をするが如く対応できるようにしておこう。

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