はじめに
こんばんは、マークです。本日から物権法・担保物権法に入っていきます。それでははじめます。
何を問われるか
直近3年の分析をすると必ず1問不動産の物件変動の対抗要件が出題されています。不動産は登記が必要とか、177条の第三者にあたるかどうかとか、対抗要件に関するところを押さえておくとよいでしょう。今回は過去問を検証していきます。
過去問(法務省HPより)
・R5
〔第3問〕
不動産を目的とする権利変動の対抗に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.竹木所有のための地上権を時効取得した者は、登記をしなくても、その後にその地上権の目的土地を購入しその旨の登記をした者に地上権の取得を対抗することができる。⇒× 地上権は時効取得後登記をしておかないと、時効取得後に土地を購入し登記をした第三者には対抗できない。177条、S33.8.28
イ.承役地について地役権設定登記がされている場合において、要役地が譲渡されたときは、譲受人は、要役地の所有権移転登記があれば、第三者に地役権の移転を対抗することができる。⇒〇 地役権の設定がされている要役地が譲渡された。→譲渡人は要役地の所有権移転登記だけすればよい。(地役権移転なくても地役権の移転を第三者に対抗できる。T13.3.17、要役地:地役権により利益や便益を受ける土地。地役権:自分の土地を便利にするために他人の土地を少し使わせてもらう権利。
ウ.一般先取特権は、不動産についてその登記がされていなくても、当該不動産上に存する登記がされた抵当権に優先する。⇒× 336条、一般の先取り特権は登記をしなくとも特別担保を有しない者には対抗できるが、登記した抵当権者等の第三者には優先しない。
エ.引渡しにより対抗要件を具備した建物の賃貸借につき、その引渡し前に登記をした抵当権を有する全ての者が同意をしたときは、賃借人は、抵当権の実行により当該建物を買い受けた者に賃借権の設定を対抗することができる。⇒× 抵当権者に賃借権を対抗するには引き渡しだけではダメで「登記」が必要。抵当権者全員が同意しただけでは意味をなさず、登記がなければ対抗できない。
オ.永小作権を目的として抵当権を設定した永小作人は、その永小作権を放棄したとしても、その放棄をもって抵当権者に対抗することができない。⇒〇 398条 自分の永小作権を担保にお金を借りておいて、勝手にその権利をポイ捨てして貸し手を困らせるような裏切りはだめよ。
1.ア ウ 2.ア エ 3.イ ウ 4.イ オ 5.エ オ ⇒ 答え4のイオ
・R6
〔第3問〕
不動産の物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AがA所有の甲土地をBに売却した後、Aが甲土地をCにも売却した。AからBへの所有権移転登記も、AからCへの所有権移転登記もされていない。この場合、Bは、甲土地の所有権の取得を第三者Cに対抗することができる。⇒× 177条 登記が必要。
イ.A所有の甲土地について、Bが、Aに無断で、Bを所有権の登記名義人とする登記を備えた。Bと善意無過失のCとの間で甲土地の売買がされ、BからCへの所有権移転登記がされたときは、Cは、甲土地の所有権を取得する。⇒× Bは無権利者なので無効。
ウ.AがA所有の甲土地をBに売却し、AからBへの所有権移転登記がされた後、Aは、詐欺を理由に甲土地の売買契約を取り消した。Bは、その取消し後に甲土地をCに売却した。この場合、Aは、甲土地の所有権がAに復帰した旨の登記を備えなければ、そのことを第三者Cに対抗することができない。⇒〇 その通り。
エ.AとBが共有する土地について、AがAの共有持分を放棄し、その共有持分をBが取得した場合において、その旨の登記がされる前に、Aの債権者CがAの共有持分を差し押さえたときは、Bは、Aの共有持分の取得を第三者Cに対抗することができない。⇒〇 持ち分を超える場合は登記しておかないと対抗できない。
オ.AがA所有の甲土地をBに売却した後、AからBへの所有権移転登記がされないままAが死亡した。CがAの唯一の相続人である場合において、Cが相続により甲土地の所有権を取得した旨の登記がされたときは、Bは、甲土地の所有権の取得をCに対抗することができない。⇒× CはAの包括承継人であるからBは対抗することができる。
1.ア イ 2.ア ウ 3.イ オ 4.ウ エ 5.エ オ⇒ 答え4のウエ
・R7
〔第4問〕
不動産物権変動に関する次のアからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.AがA所有の甲土地をBに売却し、Bがその引渡しを受けた時から1年を経過した後、Aが甲土地をCに売却し、Cが所有権移転登記を備えたときは、Bが主張する所有権の取得時効の期間は、Cが所有権移転登記を備えた時から起算する。⇒× 162条 S42.7.21 時効の基礎たる事実の開始した時を起算点として時効完成の時期を決定すべきもの。自己所有物にも時効取得適用がある。
イ.入会権の取得は、入会権が共有の性質を有するかどうかにかかわらず、登記をしないで、第三者に対抗することができる。⇒〇 T10.11.28 入会権は登記ができない。だから登記を対抗要件にはしない。現地をみれば入会地を分かる。
ウ.不動産質権の設定は、現実の引渡しがあっても、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。⇒〇 177条~不動産に関する物権は登記しないと第三者対抗要件が備わらない。
エ.AがAのBに対するα債権を担保するため、C所有の甲土地についてCから抵当権の設定を受けた後、Aがその抵当権をDのAに対するβ債権の担保とした場合において、AがBに転抵当権の設定を通知したときであっても、AがCに転抵当権の設定を通知せず、かつ、Cがこれを承諾しなかったときは、Cは、Dの同意を得ないでしたα債権の弁済をDに対抗することができる。⇒× これ捨て問だね。権利関係が複雑になっているので時間を取られないようにしなければならない。
オ.AがA所有の甲土地をBに売却した後、Aが死亡した場合において、Aの唯一の相続人Cが甲土地をDに売却したときは、Bは、登記を備えないで、甲土地の所有権の取得を第三者Dに対抗することができる。⇒× 相続でCを中心に二重譲渡した形になっている。登記の先後で決まる。
1.ア エ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.ウ オ
まとめ
毎年不動産関連は出題がある。難しくはないので必ず正解をゲットしよう。


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