はじめに
さあ、きょうから商法・会社法いきましょう。まずは株式会社の設立からですね。
問われること
発起設立と募集設立での手続きの差とか、発起人の責任、変態設立事項の定款への記載とかが問われます。条文問題が多いですが、判例も少し出ています。時短のため、過去問で検証します。
過去問(法務省HPより)
・R7
〔第16問〕(配点:2)
株式会社の発起設立に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.発起人は、株式会社の成立後は、錯誤を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができない。⇒〇 51条 規定通り。心裡留保、虚偽表示は主張できませんぜ。錯誤、詐欺、強迫も取消の理由にはできないよ。
イ.株式会社が成立しなかったときは、発起人は、連帯して、株式会社の設立に関して支出した費用を負担する。⇒〇 56条 規定通り。
ウ.現物出資財産を給付した発起人は、株式会社の成立の時における当該現物出資財産の価額が定款に記載又は記録された当該現物出資財産の価額に著しく不足する場合には、検査役の調査を経たときであっても、当該株式会社に対し、当該不足額を支払う義務を負う。⇒〇 52条Ⅰ発起人、設立時取締役は著しく不足したらし払う義務がある。まずは発起人全員が連帯して責任を取れとしている。しかし52条Ⅱで責任免除の例外が規定されている。でも現物出資の財産給付をした者を除く!!としているので検査役というプロがみた時でも支払う義務が発生するので注意。
エ.発起人は、公証人による定款の認証を受けた後であっても、株式会社の成立の時までに、発起人の全員の同意によって、当該定款を変更して本店の所在地を変更することができる。⇒× 30条Ⅱ定款は基本替えたらダメ。変更できる場合は決められている。(金額が違うと報告受けた時等)
オ.判例の趣旨によれば、定款に記載又は記録しないでされた財産引受けは、成立後の株式会社が追認することにより、遡って有効になる。⇒× S42.9.26 財産引き受けは定款への記載がマスト。あとで成立後の会社が追認してもダメ。→無効、最初からなかったことになる→新しい契約を締結するしかない。(財産引受~会社が生まれたら財産を買い取る約束~スムーズに事業を始められるようにするため)
1.アウ 2.アオ 3.イウ 4.イエ 5.エオ ⇒ 答え5のエオ
・R6
〔第16問〕
取締役会設置会社(指名委員会等設置会社を除く。)の発起設立に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.発起人は、設立時取締役になるか否かにかかわらず、設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。⇒〇 25条Ⅱ 規定通り
イ.発起人は、設立時代表取締役を選定しなければならない。⇒× 取締役会設置会社では設立時取締役の過半数によって設立時代表取締役を選定しなければならない。全体の設定が「取締役会設置会社」となっているのはこの問題のため。取締役設置会社でなければすべての設立時取締役は代表権を持つ。
ウ.株式会社の成立により発起人が受ける報酬についての定めは、株式会社を設立する際の定款に記載し、又は記録しなければ、その効力を生じない。⇒〇 28条Ⅲ 変態設立事項なので定款に記載しないといけない。①現物出資②財産引き受け③発起人が受ける報酬、特別の利益④会社の負担となる設立費用。これらは500万円以上となるときは検査役の調査が必要。
エ.発起人がその引き受けた設立時発行株式の払込金額の払込みを仮装した場合には、当該発起人から当該設立時発行株式を譲り受けた者は、善意でかつ重大な過失がないときであっても、当該設立時発行株式についての株主の権利を行使することができない。⇒× 悪意または重大な過失がなければ株主の権利はある。52条の2Ⅴ
オ.発起人は、株式会社の成立の前に、創立総会を招集しなければならない⇒× 創立総会は「募集設立」の形態の時に行うもの。設問は発起設立となっているので、不要。
1.ア ウ 2.ア オ 3.イ ウ 4.イ エ 5.エ オ ⇒答え1のアウ
・R5
〔第16問〕
株式会社の発起設立に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.定款の作成時に発起人が2人以上いなければ、株式会社を設立することはできない。⇒× 25条Ⅱ 発起人は一株以上引き受けること…これのみ。人数の規定はない。だから一人いれば良い。
イ.発起人は、成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額を定款に記載又は記録しなければならない。⇒× 27条 定款の絶対的記載事項には該当しない。32条に資本、資本準備金の額を発起人全員が同意しなければならないと規定されている。
ウ.A株式会社を設立するに当たり、B株式会社は、その発起人となることができる。⇒〇 発起人の資格に制限はなし。
エ.設立時発行株式の引受人から、その株主となる権利を譲り受けた者がいる場合には、成立後の株式会社は、当該譲受人を株主として取り扱うことはできない。⇒× 35条、S48.6.15 会社が成立する前の権利譲渡は会社に対抗することはできない。会社を守るために譲受人からは主張できないとしている。だが、会社の側からその内容に裏付けが取れて大丈夫と判断できたら株主として認めることは可能。
オ.発起人Cが、割当てを受ける設立時発行株式について、金銭ではなく暗号資産を出資する場合には、Cの氏名、当該暗号資産及びその価額並びにCに対して割り当てる設立時発行株式の数を定款に記載又は記録する必要がある。⇒〇 28条① 変態設立事項。これ頻出。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒ 答え5のウオ
まとめ
商法の1問目は設立について聞かれています。なんとなくやったなあという感じだったので思い出しておきましょう。それでは。


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