はじめに(おことわり)
こんばんはマークです。本日は刑法短答式の本編第1回目のブログを投稿します。内容は正当防衛になります。ただし、独りロースクールなので自身の知識の弱いところに力を入れてやります(下記2-1以降)。ああ、知っているという方はどうぞ飛ばしてくださいな。でははじめます。
内容1(おおまかなもの)
正当防衛といえば刑法36条1項です。「急迫不正の侵害に対して、自己または他人の権利を防衛するために、やむを得ずにした行為は、罰しない。」という条文が根拠です。緊急行為として法侵害を国が行ってくれるのを待ってられない場合に私人が行なっちゃうこと。正当防衛の要件を満たすと違法性が阻却される。認められる根拠は社会的相当性が認められること。
正当防衛の成立要件は5項目、マストで覚える。①急迫不正の侵害に対して、②自己または他人の権利を、③防衛するため、④已むを得ずした、⑤行為 という形で条文を分解し、それぞれの内容をみていく。
①急迫:法益の侵害が現に存在しているか、間近に迫っていること。不正:違法のこと。侵害:法益に対する実害またはその危険を生じさせる行為。
②自己または他人の権利:他人の権利を防衛するためでも成立。権利は広く法益を意味する。
③防衛するため:ここで問題が出てくる。正当防衛が成立するには防衛の意思(主観的要素)が必要か?→不要説と必要説があるが必要説が有力。次項で検討。
④やむを得ずにした:行為の相当性(侵害に対する反撃行為として相当性があるか)。正当防衛においては法益権衡の原則は適用されない(痴漢に対してやめてと押したら相手が線路に落ちて電車にひかれて死んでも正当防衛が認められる)。じゃあ相当性はどう判断するの?→侵害にさらされている法益の種類、侵害行為の態様や激しさ、侵害者の凶悪性・危険性、被害が回復可能か、諸々の事情を総合的に判断する。相当性を欠けば違法性が阻却されない。
⑤行為:侵害者に向けた反撃行為として行われたものでなければならない。反撃行為が第三者に向かってしまったら緊急避難として処理する見解を採用しよう。
内容2-1 自分の弱いところ
前述③の「防衛をするため」というところで偶然防衛(甲がAをピストルで撃ち殺した際に、Aは別のBを殺そうとしていた。結果口座Aを撃ち殺したことでBの命を救っている)はどう処理するの?ということになる。結果無価値論(結果があるということがよくないこと。)を徹底すると、防衛の意思は不要となる(だって意思が大事になる行為は価値がないとなるからね)。でもテキスト等でよく採用されている行為無価値論に立てば、違法性阻却の有無は行為の社会的相当性の有無によることになる。行為者の主観は社会的相当性(⇒行為が社会生活上の通常範囲内であり、違法性が阻却されるという理論)の有無に影響を与える。36条1項の「ため」は防衛の意思が必要なことを表すと考える。さらに防衛の意思の内容としては、明確かつ積極的な防衛目的をいうのではなく、急迫不正の侵害を意識しつつ、これを避けようとする単純な心理状態をいうと解する。
内容2-2 論証
◆Bを撃ち殺そうとしているAを、かかる事情を知らない甲が撃ち殺した事案
甲 ⇒(銃撃)⇒ A ⇒ B
1.甲の行為は、殺人罪(199条)の構成要件に該当する。
2.しかし、正当防衛(36条1項)として違法性が阻却されないか。
(1)まず、AはBを「撃ち殺そう」としていたのだから、Bに対する「急迫不正の侵害」があったといえる。
(2)では、「防衛するため」といえるか。防衛意思の要否・内容が問題となる。
ア.そもそも違法性の実質は、社会的相当性を逸脱して法益侵害・危険性を惹起することにある。したがって、正当防衛が違法性を阻却する根拠は、行為の社会的候性にあると解する。そして行為の主観はかかる社会的相当性の有無に影響を与える。また、36条1項の「ため」という文言から、防衛の意思が必要であると解するのが素直である。よって防衛の意思が必要であると解する。
イ.もっとも、正当防衛は反射的・本能的に行われることも少なくない。
そこで、防衛の意思とは急迫不正の侵害を意識しつつこれを避けようとする単純な心理状態をいうと解するべきである。
(3)本件では甲は急迫不正の侵害を意識しておらず、防衛の意思に欠ける。したがって、正当防衛は成立しない。
まとめ
本日は正当防衛の成立要件と、その中で「防衛をする為に」のところで防衛の意思が必要かどうかを検討した。皆さんの参考になれば何よりです。それでは。


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