刑法 短答2(緊急避難)

短答式 刑法

はじめに

こんばんはマークです。今回は緊急避難についてやっていきます。定義、要件をざっとみて、一番面倒な法的性質をやりたいと思います。それでははじめます。

意義

刑法37条1項。自己または他人の生命・身体・自由・財産等に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。

成立要件

成立するには①自己または他人の現在の危難を、②避けるため、③やむを得ずした行為であって、④これにより生じた害が避けようとした害の程度を超えなかったことが必要。③と④はあわせて避難行為の相当性と呼ばれる。~条文を分解しただけ。

①「現在」は正当防衛の「急迫」と同義。危難が現に存在するか、間近に迫っていること。危難は法益に対する侵害または侵害の危険のある状態。現在の危難はとくに不正である必要はなく、人の行為のみならず、動物の動作や自然現象についても「現在の危難」となる。

②「避けるため」は避難の意思が必要と解する。

③避難行為の相当性~「やむを得ずにした」、つまり補充の原則(それをするしかなかった)

④法益の権衡~きちんとバランス取れているか。正当防衛と違い、行為のみならず、結果の相当性まで必要になるので注意!


法的性質(ここが論点)

緊急避難が何を阻却するの?と考えるときに緊急避難ってどんな法的性質があるのだっけとなる。

この話の前提として期待可能性の概念が必要。責任とは行為者に対する非難可能性であるので、行為者が適法行為にでることが期待できない場合は、行為者を非難することができない。よって、行為者が適法行為にでることの期待可能性があることは、責任を肯定するための要件となる。

そして避難行為は違法であるが、期待可能性に欠ける場合であるとして、責任が阻却されると考える見解がある。この説を「責任阻却事由説」という。しかし、他人の法益を守ろうとした緊急避難に関しては期待可能性に欠けるとは言えない(言い換えれば利他行為の動機的強さを過少評価してはだめでしょ)。

通説は緊急避難は、社会的相当性を有する行為として違法性が阻却されると解している(違法性阻却事由説)。

論証

◆Aに襲われたBが甲を突き倒して逃げようとしたところ、甲がBに反撃し傷害を負わせたが、Bの行為が緊急避難の要件を満たしていた場合の甲の罪責は?

・甲の行為は傷害罪(204条)の更生要件に該当。

・最も、正当防衛(36条1項)により、違法性が阻却されないか。Bの甲に対する緊急避難行為(37条1項本文)が「不正」の侵害と言えるかが、緊急避難の法的性質を如何に解するかと関連して問題となる。

・この点緊急避難は期待可能性に欠ける場合であるとして、責任阻却事由であるとする見解がある。この見解からはBの行為は「不正」であることになると考えられる。

・しかし「他人」の法益を守るための緊急避難について、期待可能性に欠けるとはいえない。したがって、責任阻却事由と解するのは妥当ではない。

・そもそも違法性を阻却する根拠は行為の社会的相当性にあると解されるところ、緊急避難は社会的に相当な行為といえる。よって、緊急避難は違法性阻却事由であると解する。

・従って、Bのに対する緊急避難避難行為は「不正」の侵害とは言えず、甲に正当防衛は成立しない。

よって、甲が緊急避難の要件を具備しない限り、傷害罪が成立する。

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その他

◆自招危難~原則認められないが、予想以上に重大な危難が生じた場合は社会的相当性が認められる余地があり。

◆業務上特別な義務がある者の緊急避難

一定の危険に身をさらさないといけないので、緊急避難が適用されない。消防士、警察官、自衛官等。

◆過剰避難~要件は満たしているが、避難行為の程度を超えた場合。①補充原則に反した場合と②法益権衡の原則に反した場合がある。刑を減軽できるのは責任減少説から導かれる。

◆誤想防衛、誤想過剰防衛~緊急避難に必要な客観的条件が具備していないが、これがあると誤信し、避難の意思で避難行為を行った場合。さらにその行為が誤想した危難に対する避難行為としては過剰であった場合。

まとめ

本日は緊急避難についてやってみました。法的性質が難しいので何度もみて損はないかと思います。

それでは。


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