はじめに
こんばんは、マークです。今回は短答式試験における刑法各論の山場である財産に対する罪についてやっていきます。窃盗罪、強盗罪、詐欺罪といったところが中心となります。毎年かならず何問か出題されますので必須の項目となります。頑張っていきましょう。
問われる内容
全般的に判例について聞かれる。つまり各犯罪について判例はどう判断しましたか?覚えてますか?っていう感じで聞かれます。あとは条文はどういう行為が構成要件として定めていましたかね。(例えば事後強盗などで事例は「取り返されることを防ぐために脅して相手の反抗を抑圧…」は構成要件でしたっけ?という感じで聞かれるかな。)そういった事を聞かれます。
確認しておくこと
とにかく盛りだくさんなので、ざっと行こう。まずは定義的なとこを覚えておこう。
財産犯総論
・客体はなんだった?→①財物、②財産上の利益
・有体物が基本(通説、有体性説)。管理可能性があればOKとする説もある(管理可能性説)。
・電気は財物か?→245条で財物と規定している。(例外規定)
・法禁物も財物。
・財産的価値~占有者が基準。古いラブレターや石ころだって主観的な価値が認められれば財物。
・財産上の利益~債権や担保取得、役務の取得、債務の免除、支払猶予。
・法禁物の返還を免れることも財産上の利益にあたる。
・区別できるように~財物財と利得罪、領得罪と毀棄・隠匿罪、全体財産に対する罪と個別財産に対する罪(全体財産が減少するのが必要なのは背任罪。贋作を10万円でつかまされたが、幸いにしてその絵の価値が10万円だったとすると~騙された人のお金が10万円減少しているので個別財産が減少したとして詐欺罪が成立。)
窃盗(235条) 他人財物を窃取した者
・保護法益は何か。説の対立がある。盗まれたものを取り返しにいったらどうなる問題。
・3つの説。①本権説(所有権その他の本権)、②占有説(事実としての財産状態である占有それ自体)、③平穏占有説(平穏な占有)。⇒判例は②。
・客体は他人の財物。電気は財物。情報窃盗は不可罰(でも他の法律で処罰される。不正競争防止法、個人情報保護法等)。不動産は含まれない(争いなし。不動産侵奪罪が規定されている)。
・行為は他人の財物の窃取。窃取は「他人の占有する財物を、その占有者の意図に反して自己または第三者の占有に移転すること」(判例・通説)。他人の占有の有無が窃盗と横領の分岐点。
・占有が認めらる?、それとも、認められない?客観面:事実上の支配、主観面:財物を支配する意思
これらを総合的に判断する。
・肯定されたもの~自宅内で所在を失念した財物、自宅前の公道に放置された自転車、公園のベンチに忘れたポシェット(200m先で気づいた場合)、宿泊客が旅館内のトイレに忘れた財布(旅館の主人の占有)、ゴルフ場の池の底にあるロストボール(ゴルフ場管理者の占有)。
・否定されたもの~村役場の事務室に置き忘れられた紙幣、列車内の網棚に置き忘れられた荷物
・寄託された封緘物の場合の占有の帰属~封緘物自体の占有は受託者にあるが、内容物についての占有はなお寄託者にある(判例)。受託している封緘物の内容物を質入れしようとして封を開けたら横領罪、内容物を取り出したら窃盗が成立。横領罪は窃盗罪に吸収される。
・死者の占有の問題。最初から領得の意思で殺害すれば強盗殺人罪。殺害後に領得の意思が生じて窃取したらどうなるか。判例は死者の占有自体は否定。しかしながら、被害者が生前に有した占有は①被害者を死亡させた犯人に対する関係で、②被害者の死亡と時間的・場所的に近接した範囲内なら(①②の要件があった場合)「窃盗罪」が成立する。
・意思に反する占有移転 ~パチンコ屋での体感器を使用しての不正メダル獲得は窃盗。不正行為を隠すために通常に遊戯したら成立しない。
・振り込め詐欺の「出し子」~相手がATMならば窃盗。店頭で人が相手ならば詐欺罪。
・未遂は罰する(243条)~着手時期は問題。構成要件的結果発生の現実的危険性を含む行為を開始したとき。(実質的客観説)
・既遂時期~占有を移したとき。物によりそれぞれ違う。総合判断。
・主観的要件~不法領得の意思が必要~使用窃盗は不可罰。権利を排除して、他人の物を自己の所有物として振る舞う意思を要求する。~毀棄・隠匿との違いもある。経済的用法に従い利用・処分する意思も必要。
・不動産侵奪罪(235条の2)~対象は不動産について。侵奪=窃取。人の土地に勝手に家を建てるとか、他人の農地で勝手に耕して種をまくみたいなこと。
・親族相盗例(244条)~親族間…配偶者、直系血族または同居の親族との間の窃盗は免除。その他の親族との間の窃盗は親告罪。6親等内の血族と3親等内の姻族。被害者については所有者で占有者であることが必要。
強盗(~最重要~236条…1項強盗と2項強盗がある。窃盗と同じ)
・客体:他人の財物(1項)、財産上の利益(2項)
・行為:暴行または脅迫を用いて、他人の財物を強取すること。
・暴行・脅迫:相手の反抗を抑圧する程度のもの~畏怖ではどうか?→判例は畏怖でも成立としている。通説は抑圧が必要。なければ未遂と考える。
・事後的奪取意思:暴行脅迫が財物奪取目的で行われておらず原則否定。新たな暴行・脅迫があれば強盗罪は成立。
・予備・未遂は罰せられる。
・既遂時期:被害者の占有を排除し、行為者または第三者が占有を取得したとき
・主観的要件:不法領得の意思が必要。
・強盗利得罪(2項強盗)、客体は財産上の利益。法禁物の返還請求権、代金請求権も客体。
・行為:暴行または脅迫を用いて、財産上の利益を取得すること。
・相手方の処分行為は不要(判例)。一見すると債務免状等、相手の処分行為が必要な感じもするが、債務を逃れるために相手を殺害した場合は相手の行為はありえないので不要とすることが理解できる。
・キャッシュカードの暗証番号を聞き出した(暴行・脅迫で)⇒事実上ATMを通して預貯金の払い戻しを受ける地位という財産上の利益を具体的かつ確実に取得したといえる。判例は2項強盗の成立を認めている。
・無銭飲食の意思をもって料理の提供を受けた後に、反抗抑圧程度の暴行・脅迫によってその代金請求を免れた⇒2項強盗の混合包括一罪となる(料理という財物の1項強盗と料理代金債権の2項強盗のハイブリッドだが、両罪の時間的・場所的近接と法益が実質的に同一なので一罪とする。)
・事後強盗罪(238条)~取り返されるのを防ぐ とか 逮捕を免れるため、罪跡を隠滅するため暴行・脅迫
・相手は被害者+追跡者等も含まれる。
・窃盗の機会が継続していなければならない(時間的・場所的接着性、被害者による追跡の有無等を勘案。
・予備・未遂は罰する。
詐欺罪(246条)
・保護法益:財産
・客体:財物(1項)と財産上の利益(2項)、不動産も含まれる
・①欺罔行為⇒②錯誤⇒③相手方の処分行為(交付)⇒④財物または財産上の利益の取得 という因果経過を予定している。
・程度は重要な事実を偽ること
・不作為も欺罔行為にあたる~自部の口座に間違って振り込みがされたのに払い戻しを受けた場合、本来は銀行に告知すべき信義則上の義務をしていないとして不作為も欺罔にあたるとした。
・挙動による欺罔~飲食店での注文行為、預金口座の開設申し込み
・相手の錯誤が必要。機械は錯誤をしない。(⇒機械の場合は窃盗となる)
・処分行為:錯誤による瑕疵ある意思に基づいて財物または財産上の利益を終局的に相手に移転させる行為。
・被欺罔者の認識の要否~説が分かれている。かつ1項詐欺と2項詐欺でも分かれている。~(1万円札の挟まっている本を売主に知らせず100円で購入)~意識的処分行為説:判例もこれ。2項詐欺なので債務免除の認識が必要となる。~無意識的処分行為:債務免除の認識までは不要。代金債権の準占有が終局的に移転することの認識があれば足りる。
・キセル乗車~乗車駅基準説(高裁判例)、下車駅基準説~錯綜しているようだ。
・財産的損害~成立には財産的被害が必要。何がそれにあたるか。~①形式的個別財産説:売主が価格相当額の商品を提供、売主が詐欺的手段を用いて売買契約を締結した場合⇒代金の喪失⇒財産的損害発生⇒詐欺罪成立…財産的損害という要件を不要とする立場と変わらなくなってしまう、②実質的個別財産説(判例・通説):実質的な財産的損害が必要。
・価格相当の商品の給付~財産的侵害は認められるか?~被欺罔者が当該取引において獲得しようとしたものと、欺罔者が給付したものとの間に、経済的齟齬あると財産的損害が認められる。電気アンマ器の事件(値段相応だけど、病気に聞くとだましているのを知ってたら買わなかったやつ)
・公的証明書の詐取~印鑑証明書、旅券の不正交付~公務所には財産的損害は発生しない。~一方で国民健康保険証とか簡易生命保険証書の不正受交付は保険金の支払がついてくるので財産的侵害とした。
・預貯金通帳の詐取~これを利用して払い戻しができるので財産的価値あり、詐欺罪。
・搭乗券の詐取~他人を乗せないのが航空運送事業経営上重要性を有していた⇒知っていれば交付しなかった⇒詐欺
・不法原因給付と詐欺~詐欺罪は成立するのだが、考え方に説がある。①被害者は欺かれなければ財物を出さなかったはずとすれば財産的損害を肯定できるとする説、②もっばら行為者が不法原因を作り出した場合にあたるとして708条ただし書きを適用して詐欺罪成立とする説。
・クレジットカード詐欺~自己名義(支払い能力がないのに購入):①1項詐欺説~支払い能力ないことを知っていれば取引を拒否したはず⇒加盟店の錯誤⇒交付、②2項詐欺説~加盟店は立替払いを受けられるので実質的な被害は信販会社が受ける。欺罔者は加盟店に対する代金債務を免れるという財産上の利益を得たと考える説。
・クレジットカード詐欺~他人名義のカード不正利用:①名義人の承諾なし~加盟店が知っていれば取引許否したはず。⇒加盟店に錯誤⇒錯誤に基づき商品の交付という処分行為もある⇒信販会社からの立替も受けられない可能性あり⇒実質的な財産的損害あり。⇒1項詐欺が成立。②名義人の承諾あり。⇒加盟店は知っていれば取引許否。⇒同じく1項詐欺が成立。未遂は罰せられる(250条)
・罪数・他罪との関係~①1項詐欺と2項詐欺(商品を詐取し更に新たな欺罔で代金債務も免れる。もう支払ったとか壊れている、音信普通。):包括一罪が通説(保護法益が実質的に同一で時間的・場所的に接着)。②1項詐欺と2項強盗(商品を詐取し、反抗を抑圧程度の暴行・脅迫で代金債務を免れる):混合包括一罪(保護法益が実質的に同一、両行為が時間的・場所的に接着している場合は包括一罪)。③窃取・詐取した財物を欺罔に利用(窃取した通帳で窓口で払い戻し):窃盗罪と詐欺罪の併合財。また詐取の場合も1項と2項詐欺が併合罪となる。④偽造罪等との関係((ア)文書偽造・行使罪と詐欺罪、(イ)有証偽造・行使罪と詐欺罪、(ウ)通貨偽造・行使罪と詐欺罪)⇒(ア)(イ)は牽連犯。(ウ)は偽造通貨行使罪に吸収される。
・電子計算機使用詐欺罪(246条の2)~銀行が業務上使用している電子計算機に実際には入金がないのにも関わらず、入金があったように入力する行為。行為:虚偽の電磁的記録を人の事務処理用に供すること。財産上不法の利益を得ることが必要。未遂は罰する。
・準詐欺罪(248条)~未成年者相手
恐喝(249条)~暴行・脅迫を用いて相手を畏怖させ、瑕疵ある意思に基づいて財物や財産上の利益を交付させる犯罪。
・客体:財物と財産上の利益
・行為:恐喝~相手の反抗を抑圧するにいたらないもの。いたったら強盗になっちゃうよね。ここで注意だけど、恐喝罪の場合は脅迫罪と違って、被害者の友人や縁故者等に対する加害の告知も該当することになる。適法行為の告知も含まれる。
・処分行為:交付罪なので詐欺罪同様、被害者による処分行為が必要。
・未遂:未遂は罰する。(250条)
・権利行使と恐喝(貸金の取立)~保護法益を本件とするか占有とするか⇒自救行為が禁止されているので保護法益は相手の占有と解するのが妥当。
・違法性阻却について~①権利の行使という正当な目的があり、②権利の範囲内であり、③その手段が社会的相当性の範囲内にある 場合は正当行為として違法性が阻却される。~返済期限が来たのに、相手が「金は返さない。貸す方が馬鹿だ。」という債務者に対してやむを得ず軽い恐喝的手段を用いて貸金を回収する場合は違法性が阻却される(法的措置を取る とか、裁判にする、弁護士に相談する といった感じのこと)
・他罪との関係~①恐喝罪が成立する場合は暴行・脅迫は吸収される。②恐喝で被害者に傷害結果が発生したら観念競となる。
横領(252条)
・要件:単純横領罪~「自己が委任に基づき占有する他人の物を横領」することが必要。
・主体:他人の物の占有者に限られる。真正身分犯。
・客体:物とは自己の占有する他人の物、動産+不動産。※注意!!:財産上の利益は客体ではない。電気を財物とみなす245条が準用されない。
・占有:広く法律的支配をも含むと解される。
・占有が委託信任関係に基づかない場合は占有離脱物横領(254条)として処理される。
・金銭~①封金:他人のもの、②消費寄託:使っていいんだから他人のものではない、③使途が定められている場合:他人のもの(民法上の金銭は所有と占有が一致するという動的安全性を保護するが、横領罪は所有者の内部的な所有権保護を目的とするの。)
・不法原因給付~①成立肯定説:返還請求権は失うものの、所有権は失っていないので給付物が「他人のもの」とする説。②成立否定説(現在の判例):民法上保護されないのだから法秩序の統一として肯定できない。よって「他人の物」にあらたないとする説。③折衷説(有力説):終局的な移転があれば「他人の物」にはあたらない(100万円で殺人依頼。相手が着手せずにその100万円を使った)。また物が寄託されたに過ぎない場合は「他人の物」とすぎない場合は成立する(贈賄用に100万円を寄託していたら相手がそれを使ってしまった)。
・盗品等の横領(2説覚える)~①窃盗犯人の占有も保護される⇒委託信任関係も保護⇒横領罪成立。②保護法益は所有権⇒窃盗犯人に所有権はない⇒所有者でない窃盗犯人からの委託は保護に値しない。⇒横領罪不成立。
・二重譲渡(AがBとCに同じ不動産を売却し、Cが登記を備えた)~①Aの横領罪(被害者B)はCへの売却行為が該当する。②AのCへの詐欺罪は?→登記すれば所有権を獲得するので成立しない。③Cの横領罪は?:単なる悪意ならばCが共同正犯となることはない。背信的悪意であれば共同正犯が成立する。
・公務所から保管を命ぜられた自己の物~横領罪の客体となる
・行為:横領(定義 不法領得の意思を実現する一切の行為)。他人の物の占有者が、委託の任務に背いて、その物につき、権限がないのに所有者でなければできないような処分をする意思のこと。(毀棄・隠匿目的でも横領は成立する。窃盗と違うので注意!)
・一時流用:費消時点で確実な填補意思と能力があれば横領にあたらない。
・既遂:不法領得の意思の発現行為が行われれば既遂となる。横領には未遂がない!!
・横領後の横領は成立する。
・業務上横領(253条)~加重類型。この場合の業務は「金銭その他の財物を委託を受けて保管することを内容とする職業もしくは職務をいうと解される(社会生活上の地位に基づいて反復・継続して行われる事務ではないので注意)。
・共犯関係~身分なきものが関与した場合に問題。判例は成立と科刑の分離を認めている。非占有者は65条1項で業務上横領の共同正犯が成立、2項により単純横領罪の刑を科すべきとした。
・占有離脱物横領(254条)~誰の占有にも属さず、委託関係に基づかずに行為者の占有に帰属したもの。
背任罪(247条)
・主体:他人の為にその事務を処理する者~真正身分犯。その者が自己もしくは第三者の利益を図り、又は本人に損害を加える目的で任務に背く行為をし、財産上の損害を加えたときに成立。
・事務:財産上の事務に限定。
・他人の登記に協力する義務が「他人のため」の事務にあたるか⇒判例はあたるとしている。
・行為:任務に背く行為。意義は3つの説を覚えておく。①権限濫用説:法的処分権限(代理権)の濫用~主体が法的代理権を有する者に限られてしまうので狭きに失する。②背信的権限濫用説:権限を広く事実上の事務処理権限と解し、背任行為を事実上の事務処理権限の濫用と解する見解。これでも良いが横領罪との区別のための妥当な基準を導きがたいという難点あり。③背信説(判例・通説):権限の濫用ではなく、背任行為を信任関係の違背であると解する。
・具体例:不良貸付、粉飾決算、債務負担行為、取締役と会社との自己取引
・【重要】横領罪との区別~他人のための事務処理者が他人の財物の占有者でもある場合問題となる。⇒本人の名義かつ計算で行われた場合のみ背任罪とし、自己の名義または計算で行われた場合には横領罪としている。~村長が村の公金を村の計算で第三者に貸付けした事案では背任罪として処理している。これに対し、村の収入役が自己の保管する公金を村の名義ではなく、自己の名義で第三者に貸付けた事案では業務上横領としている。
・財産上の損害発生が必要。これは経済的見地から全体の財産減少の有無を判断する。よって回収の見込みのない相手に本人の計算で貸付した場合、その分債権があるから財産は減少していないというロジックは成り立たないということ。
・目的:目的犯。つまり「故意」+「目的」が必要。その目的は、①自己の利益を図る目的、②第三者の利益を図る目的、③本に損害を加える目的 のいずれかが必要。図利(とり)・加害目的という。
・利益の意義:財産上の利益に限定せず、自己の地位の保全、信用、面目の維持等の身分上の利益も含む。
・図利・加害については未必的認識があればよい。
・未遂は罰する(250条)。
盗品に関する罪(256条)
・保護法益:回復請求権(追求権)と判例では言っている。
・事後従犯的性格:盗品の保持や換金行為で事後的に援助する性質。
・客体:盗品その他、財産に対する犯罪行為で領得された物。
・被害者が追求権を喪失した場合とか追求権がない場合は盗品等にあたらない。~①同一性を失った場合:金を盗んできたが、それで物を買った場合、その物は金銭と同一性を欠き、客体とならない。②善意取得された場合:第三者が善意取得した場合(民192条)追求権を失う。ただし盗品または遺失物は2年間は本罪の客体であり続ける。
・不法原因給付の場合:物の給付が不法原因給付で本犯の構成要件該当性が否定される場合はその物は本犯の客体ではない。(殺人の依頼料として依頼主が前に盗んできた高級時計を渡した。)
・行為:①無償譲受(1項)、②運搬、③保管、④有償譲受、⑤有償の処分のあっせん(②~⑤は2項)
・被害者のもとへの運搬:追求権の侵害がないとも思われるが、返還を条件に被害者から金品を得る場合は運搬罪が成立する。
・有償処分あっせん罪:あっせん行為がなされた時点で成立。
・故意:故意犯であり、盗品であることの認識が必要。ただ未必的なもので足りる。
・途中で盗品と知った場合:知った後は盗品等保管罪が成立する。
・他罪との関係~①詐欺罪と有償処分あっせん罪:有償処分あっせん罪をした者が情を知らない相手方から盗品の代金を受け取った場合⇒情を知らない相手から代金を受け取るのは盗品処分あっせん罪の当然の結果であるから詐欺罪は成立しない。
・恐喝との関係~盗品と知りながら恐喝してそれの交付を受けたものは盗品譲受罪と恐喝罪が成立し、観念競となる。
・本犯の教唆犯・幇助犯と本罪とは併合罪。(盗品を買い取るから窃盗を教唆し、盗品を買い取った場合、窃盗罪の教唆犯と盗品等有償譲受罪が成立し、両罪は併合罪となる。
・親族間(257条):本犯者(盗品に対する罪を行った者)と盗品等に関する罪の犯人との間に親族関係があればよい。
毀棄・隠避~不法領得の意思を欠く粗暴犯
◆公用文書等遺棄罪(258条)
・客体:公務所の用に供する文書または電磁的記録
・行為:毀棄(物理的損壊に限らず、物の公用を害する一切の行為。隠匿も含まれる。)
◆私用文書等毀棄罪(259条)
・客体:権利又は義務に関する他人の文書または電磁的記録。単なる事実証明に関する文書は含まない。
・行為:毀棄
・親告罪
・この分類の中には他に建造物等損壊罪・同致死傷罪、器物損壊罪、境界損壊罪、信書隠匿罪等がある。細かいので割愛。
まとめ
ちょっとボリュームが多くなったので今回はここまで。お疲れ様でした。


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