はじめに
こんばんは、マークです。今回は、平成26年司法試験予備試験の民法(設問1)を素材に、旧民法の「瑕疵(かし)」から改正民法の「契約不適合責任」へとアップデートした論文の書き方を徹底検証します。過去問分析のポイントや、現場でのあてはめのコツを確認していきましょう!
事案の概要(おさらい)
- 事実関係:
- AはCに対し、自己の別荘(A邸)の改修工事(外壁のれんが風タイル張り)を依頼。
- 発注前の打合せで、AはCに「B邸」の実物を見せ、同じ仕様にしてほしいと伝えた。
- CはB邸に使われていたE社製タイル「シャトー」を使うこととし、施工したが、仕上がりに問題が生じた…という事案。
- Aの請求:
- 工事の内容が契約に適合しないとして、追完請求権(修補請求)を主張。
Aの請求(追完請求)の構成
改正民法の下では、請負における仕事の目的物が契約の内容に適合しない場合、発注者は民法559条・562条1項に基づき、履行の追完(修補請求など)を請求できます。
- 論文での書き出しのポイント:「Aは、Cに対し、債務不履行に基づく追完請求として修補請求(559条、562条1項本文)をすることが考えられる」
- 562条とかは売買契約において規定されたものであるが、559条で有償契約について準用するとなっており、本件請負契約にも準用されるという流れもしっかりと覚えておきましょう。
Cの反論(契約不適合に当たらないという主張)の検討
受験生が一番悩むのが、請負人C側の反論の構成です。
- Cの言い分:「B邸のタイルと同一の商品名(シャトー)であり、耐火性等の性能も同一だから契約不適合(瑕疵)には当たらない」
- 法的評価:
- 請負契約は「仕事の完成」を目的とし、欠陥のない完全な物の完成が含まれます。
- したがって、「契約不適合」に当たるかは、単に客観的な性能・品質だけでなく、「当事者間で特に約定され、契約の重要な内容となっている性能・品質を欠くか」という観点から判断します。
あてはめのコツ
本問では、Aが発注前に実際の「B邸」を見せて「同じ仕様にしてほしい」と伝えています。これは単なる参考見学ではなく、外観や特定の仕上がり・美観等に対するAの強い意思(契約の内容としての合意)と評価すべきです。
したがって、単に同名の商品を使ったというだけではCの義務を果たしたことにならず、契約不適合が認められる方向で論じます。
論文で高得点を取るためのチェックポイント
- 条文の正確な想起:
- 瑕疵担保責任(旧634条等)ではなく、改正後の559条・562条の組み合わせを正確に書く。
- 事実の評価(ひきつけ):
- 「B邸を実際に見せた」という具体的事実を、単なる雑談ではなく「契約内容の合意(約定)」にどう結びつけるかを論理的に記述する。
- 対立利益のバランス:
- 発注者の主観的意図と、施工者側の予見可能性や履行内容の解釈を対比させて書けるとグッと答案の質が上がります。
おわりに
平成26年の過去問は、一見すると古い形式の事例に見えますが、「契約解釈」と「債務不履行(不適合)の成否」を問う良問です。改正法に置き換えても、求められる法的思考力は変わりません。
ぜひ最新の判例・基本書とあわせて、ご自身の答案構成を見直してみてくださいね!


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