はじめに
会社法の最後となる組織再編をやりましょう。事業譲渡、合併、会社分割、株式交換・移転のあたりを過去問から見てみよう。
過去問(法務省HPより)
・R7
〔第25問〕
組織再編等に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記
1から5までのうちどれか。
ア.株式会社が他の株式会社にその事業の全部の譲渡をする場合において、譲受会社が譲渡会社の特別支配会社であるときは、当該譲渡会社の株主総会の特別決議によって当該譲渡に係る契約の承認を受けることを要しない。⇒〇 467 468(略式譲渡)譲受会社が譲渡会社の特別支配会社(90%以上の支配)であるときは決議不要。だって絶対承認されるものね。
イ.株式会社は、合名会社、合資会社又は合同会社に組織変更することができない。⇒× 575 なれるんです。
ウ.新設分割設立会社が新設分割計画の定めに従い新設分割会社の債務を免責的に承継するには、当該債務に係る債権者の承諾を要する。⇒× 764 新設分割設立会社(新たらしくできる会社)、新設分割会社(元の会社)のこと。債務者の承諾は不要だが、債権者異議手続きで債権者を保護。ここで会社は進めることができるのだが、弁済するか、担保をだすか、信託会社等に相当の財産を信託しなければならない。
エ.吸収分割において、吸収分割株式会社が株主総会の決議によって吸収分割契約の承認を受けなければならないときは、当該株主総会において議決権を行使することができない株主は、当該吸収分割株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。⇒〇 785、797、806 規定通り 会社からの退出の機会を与える
オ.株式移転は、株式移転計画において定められた効力発生日に、その効力を生ずる。⇒× 成立の日(登記した日)に効力発生となる。株式移転はホールディングス(持株会社)を作るようなイメージ。
1.アウ 2.アエ 3.イウ 4.イオ 5.エオ ⇒ 答え 2のアエ
・R6
〔第23問〕
甲株式会社(以下「甲社」という。)が乙株式会社(以下「乙社」という。)に対してその事業の一部を吸収分割又は事業譲渡の方法により承継させる場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.吸収分割及び事業譲渡のいずれの方法による場合であっても、乙社が、甲社に対して当該承継の対価として乙社の株式を交付するには、裁判所に対して検査役の選任の申立てをしなければならない。⇒× 承継の対価として株式を交付~検査役の選任は不要(事業譲渡の現物には適用されない)
イ.乙社の反対株主の乙社に対する株式買取請求権についての会社法の規定があるのは、事業譲渡の方法による場合のみである。⇒× 797吸収分割についても株式買取請求できる。吸収分割会社:事業を切り離して売る方、吸収分割承継会社:買い取って飲み込む方
ウ.乙社が、甲社との合意により、当該承継に際して甲社の新株予約権の新株予約権者に対して当該新株予約権に代わる乙社の新株予約権を交付することができるのは、吸収分割の方法による場合のみである。⇒〇 その通り
エ.甲社がその債務を乙社に免責的に承継させようとする場合に当該債務に係る債権者の個別の同意を得る必要があるのは、吸収分割の方法による場合のみである。⇒× 個別同意は事業譲渡の際に必要。吸収分割については異議申し立て公告により債権者の同意なくとも免責的債務引き受けしてOK。
オ.甲社及び乙社が、効力発生日後遅滞なく、共同して当該承継に関する会社法所定の書面又は電磁的記録を作成しなければならないのは、吸収分割の方法による場合のみである。⇒〇 事業譲渡は単なる売買だから。一方吸収分割は組織の組み換えなので事前の書類公開(会社法所定の書面)が絶対に必要となる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒ 答え 5のウオ
・R5
〔第24問〕
株式交換及び株式移転に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
ア.株式交換及び株式移転のいずれも、一の株式会社が当該株式会社の株式を取得する会社との間でその旨の契約を締結しなければ、することができない。⇒× 交換は既に親会社あり、移転は新たに親会社を設立する。交換については株式交換契約を締結しなければいけない(768)。移転については株式移転計画を立てればよい(だってまだできていない会社なのだから)。
イ.株式交換完全親会社及び株式移転設立完全親会社のいずれも、株式会社であることを要する。⇒× 株式交換は親会社は合同会社等でもOK。株式移転の親会社は株式会社でないとだめ。
ウ.株式移転設立完全親会社が株式移転完全子会社の発行済株式の一部のみを取得することとなる株式移転を行うことはできない。⇒〇 株式移転は完全に子会社化する為の手法。一部のみとはいかない。
エ.株式交換をする場合、株式交換完全親会社は、株式交換完全子会社の株主に対し、株式交換完全親会社の株式を交付しないこととすることができるが、株式移転をする場合、株式移転設立完全親会社は、株式移転完全子会社の株主に対し、株式移転設立完全親会社の株式を交付しなければならない。⇒〇 交換は株式ではなく、金銭その他の財産でもOK。移転については株式交付がマスト。768Ⅰ、773Ⅰ⑤
オ.株式交換完全子会社の新株予約権付社債についての社債権者は、株式交換に際して株式交換完全親会社の新株予約権の交付を受ける場合には、当該株式交換について異議を述べることはできない。⇒× 789Ⅰ③ 債権者としての異議が法定されている。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ ⇒答え4のウエ
まとめ
お疲れ様でした。会社法については今回で終了です。

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